ある日,海の中から現れた人間を食べる寄生生物は,耳の穴から人間の中に入り込み,その人間を支配する。
 一見,普通の人間と変らないが,人間を食べるときは頭部が不気味に開く。

 高校生の泉新一(染谷将太)にも寄生生物が迫るが,彼がヘッドホンで音楽を聴きながら寝ていたため,耳の穴からの侵入に失敗した寄生生物は,鼻の穴から入ろうとして気づかれ,結局,右腕に入り込むが,新一がコードで腕を縛ったため,脳まで入り込むことができず,右腕だけに寄生することになる。

 寄生生物は,宿主が死ぬと一緒に死んでしまうため,新一を殺すことはできない。
 寄生生物は,ミギー(右腕だから,声 阿部サダヲ)と名乗り,新一との共存を提案する。




 仲間の気配を感じたミギーが,行くことを指示した中華料理屋で新一は人間を食べていた寄生生物に襲われるが,ミギーがその男の首を切り落とす。
 この事件で警察が捜査を開始し,連続惨殺事件として問題になる。

 その直後,新一の高校に寄生生物に寄生されている田宮良子(深津絵里)が新任教師として赴任してくる。




 彼女は,繁殖手段を持たない自分たちは人間と共存した方が良いのではないかと考え,警察官に寄生したAと名乗る男と性交して妊娠するが,胎児は普通の人間だった。
 田宮良子は,人間と共存しているミギーに興味を持つが,Aは仲間を殺し人間と共存するミギーを嫌い新一を殺そうと襲ってくる。
 新一の協力で警察官のAを倒したミギーだったが,瀕死のAは通りかかった新一の母信子(余貴美子)に乗り移る。
 新一の自宅に帰ったAは,冷静に戦えない新一の心臓を貫く。

 ミギーは,血管を通って新一の心臓にたどり着き,自らの組織の一部を使って心臓を修復して新一の命を救う。
 そのことによって,新一は超人的な身体能力を得るが,人間的な感情が微妙に失われる。
 一方,ミギーは突然,4時間程度の睡眠が必要になるようになる。

 新一の心はAに対する復讐心に囚われるが,そこに田宮良子の仲間である島田秀雄(東出昌大)が転校してくる。




 田宮良子と島田秀雄は,人間社会に適合することを試すため,人間と同じ食事で生活しており,島田秀雄はイケメンであるため女生徒の人気者である。
 しかし,あることから寄生生物に寄生されていることがばれ,部屋にいた女生徒全員を殺そうとするが,新一が心を寄せる里美(橋本愛)が,投げつけた油絵用の溶剤を浴び,自制心がなくなり学校内で暴れ回り,大量虐殺を行う。




 里美を危機一髪で救い,島田秀雄を倒した新一だったが,寄生生物の抹殺を心に誓う。
 その頃,政府も彼らの存在に気づき始めていた。


 この映画を観た誰しもが感じるのは,阿部サダヲが声を演じているミギーの面白さだろう。
 性格の設定と言い,それを生かす喋り方と言い,上手いとしか言いようがない。

 この物語自体の面白いところは,寄生生物たちの中で,自分が何者であるかについて疑問や興味を持った者に焦点を当ててストーリーが作られているところである。
 「進撃の巨人」も,そもそも巨人って何?っていうところが興味の中心だが,寄生獣では,知性を持つ寄生生物自身にもそれが分かっていないところが面白い。

 完結編の予告では,自分たちの役割は人間を滅ぼすことだという寄生生物が現れるが,人間にだけ寄生し人間しか食べない彼らは,その後,どうするのか?
 一緒に滅びるということで良いのだろうか。

 自分にとって一番大切なのは,自分の命だと断言するミギーには受け入れられない結論だろう。

 こういうことを考えると,結末にとても興味があるが,しかし,この面白さを味わうためにあそこまで嫌悪感を煽るようなグロ表現が必要だろうか?
 もうちょっと,控えめにしてもらってもいいと思うんだけど。