進学校での競争に敗れて自信を失い,親の期待を裏切った八軒勇吾(中島健人)は,全寮制という理由だけで農業高校に入学する。



 農家を継ぐ連中が,競争もなく,ノホホンと過ごしていると思い込んでいた八軒だったが,殺して食べるための動物に愛情を注いで育てるということの矛盾を感じ,まずは命を食べるということの真の意味を知る。
 そして,農家の経営が苦しく,倒産して離農していく同級生を目の当たりにして現実の厳しさを知る。そして,その影響は,八軒が恋心を抱く御影アキ(広瀬アリス)の家にまで及ぶ。

 彼女が大切にしていたばんえい馬を売らなければならなくなったことを知った八軒は,彼女を騎手として乗せるために学園祭でばんえい競馬をすることを提案する。
 誰もが絶対に無理だと思ったが,彼の行動は多くの人の心を動かし,ついに実現する。




 無気力な敗者として入学してきた八軒は,まだ,自分の未来を描くことはできないが確実に成長し,様々な境遇の同級生たちと共に歩き続けるのだった。

 スープで大ファンになった広瀬アリスちゃんがヒロインの映画なので観に行かないわけにはいかない。

 良く考えられてはいるが,奇をてらったところのないストーリーだが,やはり真実の重みが凄い。
 ブタのと畜解体も,牛の出産も,ばんえい競馬も全て本物で,広瀬アリスちゃんも特訓して巨大なばんえい馬を自ら操っている。




 農家の苦境も,実際にどこでも見られる現実である。

 名作と言われる原作のエッセンスを上手く映像化できている。
 ただ,広瀬アリスちゃんが,ちょっときれいにまとまってしまったのが,残念。

 あと漫画の実写化で,常に話題になるのが,特徴的なキャラクターの再現性だが,まさか,稲田多摩子(安田カナ)さんに特殊メイクではない本物がいるとは・・・



 あと南九条あやめを演じた黒木華ちゃんが,強烈な個性で良いスパイスになっていた。



 今となっては贅沢なキャスティングである。