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 今期のテレビドラマは面白いものが多くて,話題を独占した「家政婦のミタ」を筆頭に「11人もいる」や「妖怪人間ベム」などが面白かったし,個人的には「シャドウ」の深田恭子の「ふみくんが危ない!」もツボだった。

 それはともかく,「家政婦のミタ」がヒットした要因についていろいろと言われているが,私が感じたのは,このドラマがカウンセリングの手法に基づいて進められているということである。

 日本人は,カウンセリングというものに対して誤解している人が多く,訳知り顔のカウンセラーがお説教のようなことを言って精神的に混乱している人を導くものだと思っている。だから,犯罪被害者の心のケアーとしてカウンセリングを勧めても,「被害者の自分がなぜ説教をされなければならないんだ」というような考えから拒絶されることがほとんどである。例えば「憎しみからは何も生まれません。許すということを考えてみてはいかがですか?」なんて何も知らない人に言われたくない,ということである。

 しかし本当のカウンセリングは,そんなことはしない。
 まず肯定的な態度で徹底的にその人の言い分を聞き,自分の意見は言わない。
 そもそも,心の中に不満や不安があっても,一般社会の中では,誰も聞いてくれないか,聞いてくれても反論されることがほとんどであるから,ますますストレスが溜まる。
 カウンセラーが肯定的な態度で黙って話を聞いてくれること自体が,ストレスの溜まった人にとっては癒やしになり,それだけでも意味がある。
 そして,その人がもともと人格的な障害を持っているのでなければ,繰り返し不満を言う内に,自問自答が始まる。こんなことを言い続けていても意味が無いのではないか?自分にとってマイナスなのではないか?
 相談者が,そのような感情を持つに至った時はカウンセラーは,更に肯定的な態度で接する。
 そうすると,同じ内容の考え(例えば「憎しみからは何も生まれない」)であっても,自分が考えついたものであれば,それを受け入れることは容易である。
 こうして,自分の悩みや不満に対して自分で答えを見つけることで自分自身を救うことができるというのが,カウンセリングの基本的な方法である。

 しかし,そうすると別の疑問が生まれる。
 結局,カウンセラーって,何もしないんじゃないの?
 その答えはイエスでもありノーでもあるのだろうが,カウンセリングというものをよく知っているアメリカ人は映画の中でこのことについて面白いシーンを描いている。

 ジョーニーデップの「チャーリーとチョコレート工場」である。

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 ジョニーデップ演じるウォンカという男が経営しているチョコレート工場の中では,ジャングルから連れてきたウンパ・ルンパという小人がチョコレートの製造を初めとして,すべてのことを行っている。
 ウォンカがノイローゼになるとカウンセラーにもなるのである。そして,ウォンカはただ黙っているウンパ・ルンパの前で悩みを打ち明け,自分で解決方法を見つけて晴れやかに帰っていくのだが,同時に高額な請求書を渡される。
 ウォンカは「いい商売だな」とイヤミを言いながら支払う。

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 アメリカ人にとって,カウンセラーにかかるのはひとつのステイタスらしいから,カウンセリングというものをさすがに良く知っている。

 さて「家政婦のミタ」である。
 三田は,家庭が崩壊して様々な不満や不安をかかえた阿須田家のメンバーの無茶苦茶な依頼をすべて「承知しました」と言って,そのまま引受ける。何の反論も質問もしない。
 それ自体,カウンセラーの態度と近いものがあるが,三田は話を聞くだけではなく,すべて実行にまで移す。その結果,それを依頼した者は,自分の考えがいかに非現実的で馬鹿げており,何の解決にもならないかということを痛切に感じることになる。

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 だからこそ,本当はどうすべきかを自分自身に問い直す結果になるのだ。まさに「それを決めるのはあなた自身です。」ということである。

 ドラマが始まった頃,三田の無茶苦茶な行動は,このドラマが寓話であることを示しているものだと思った。
 それは間違いではないと思うが,物語が進み,阿須田家のメンバーが変わっていく様子が説得力をもって描かれていくのを観て,ああ,これはカウンセリングと同じじゃないかと感じるようになった。
 ドラマとしては,それだけではなく様々に優れた点があるが,こういう要素も考えられるということで,久しぶりにテレビの感想を書いてみた。
 ただ,私のカウンセリングについての知識は,ある程度真面目に勉強したものではあるけど20年以上前のものなので,もしかしたら今はかなり違うのかもしれない。

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 ところで,忽那汐里ちゃんの眼力は,武井咲ちゃんに負けてないですね。