相撲協会が元東京高検検事長を必要とする理由 | 永田町異聞

相撲協会が元東京高検検事長を必要とする理由

武蔵川理事長の謹慎にともなう日本相撲協会の理事長代行に、村山弘義外部理事が就任する方向だという。


かつて東京高検検事長をつとめた大物ヤメ検弁護士である。知り合いの某業界紙記者に言わせると、「いわくつき、札付きのヤメ検だ」と容赦ない。裏社会との「手打ち」に適材だというのである。


そこまで言うのは極端だとしても、裏社会にも顔が利き、相撲界との間をうまく調整できる人物ではありそうだ。


おそらくその記者が言いたいのは、外見上ガバナンスのききそうな陣容を協会の表に押し出して、ヤクザとの腐れ縁をきっぱり断ち切ったように見せかけるのが、協会と特別調査委の暗黙の了解事項であるということだろう。


彼の表現を借りれば、「調査委員会」がいつの間にか「名古屋場所開催推進委員会」に変わり、「羊頭狗肉」の本場所が強行されるということになる。


さて、その村山氏の話である。2000年4月、東京高検検事長を最後に退官し弁護士となったが、直後の6月27日、リキッドオーディオ・ジャパン社の顧問に、元東京地検特捜部長、河上和雄氏とともに就任した。


リキッドオーディオ社は1999年12月22日、東証マザーズに上場したが、かねてから大神田社長や一部株主と暴力団関係者との交際が週刊誌などで報道されていた。


村山、河上両氏を顧問に迎えたのは、そうした疑惑のカムフラージュという側面があったとみられる。


その後、リキッドオーディオ社を退社した大神田氏は同社取締役を暴行、監禁した疑いで2000年10月25日、警視庁に逮捕されている。


暴行を受けた取締役は別会社に移ったが、その関連会社に銃弾が撃ち込まれる事件も起きた。


92年の暴力団対策法施行後、豊富なアングラマネーを持つヤクザ組織がベンチャー企業やファンドへの出資、投資を強めていった実態の断片を垣間見るような事件であった。


リキッドオーディオ社は2003年にニューディール社と名前を変え、昨年、上場廃止となった。現状はよく分からないが、リキッドオーディオ社が山口組系のいわゆる「企業舎弟」であったことは間違いないようだ。


ちなみにその上場記念パーティーは、浜崎あゆみ、小室哲哉、モーニング娘、SPEED、ラモス瑠偉らが出演し、テレビ局やレコード会社などが祝辞を寄せる華やかさだったという。


弁護士としてリキッドオーディオ社の顧問となり、さまざまな法的対応に追われた村山氏が、かつてのエリート検事らしい「辣腕ぶり」を発揮したことは想像に難くない。


余談だが、「闇社会の守護神」と呼ばれた元特捜検事、田中森一氏は自民党派閥「清和会」の顧問弁護士をつとめる一方、射殺された山口組元若頭、宅見勝氏の相談相手でもあった。


社会のオモテとウラを縦横無尽に行き来できるのが弁護士という職業だろう。とくに検察の内部事情に精通しているヤメ検弁護士は裏社会からのニーズが高い。


力士出身者では手に負えなくなった相撲界とヤクザの腐れ縁。さりとて、裏社会のことに無知な学者先生などでは、きれいごとを言うだけで現実には役に立ちそうにもない。


そこで、外部理事の村山氏が理事長代行に適任ということになったのだろう。知り合いの業界紙記者が言うように「いわくつき、札付きのヤメ検」が本当だとするならば、毒をもって毒を制すといったところか。


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