社会保障費をめぐる自民党内の末期症状 | 永田町異聞

社会保障費をめぐる自民党内の末期症状

昨日の自民党総務会は、青木幹雄が院政をしく参院自民党と、平成研(津島派)の発言力を際立たせた。


主役は尾辻秀久参院議員会長と、平成研の津島雄二会長だ。尾辻は平成研のメンバーでもある。二人とも、バックにキングメーカー、青木幹雄の威光が光る厚労族議員だ。


医療など社会保障費は自然増を続けており、その支出を抑制するため年2200億円削減する小泉政権の「骨太方針06」を、政府与党は踏襲してきた。


この政策により、診療報酬が引き下げられ、医療崩壊など社会保障にひずみが生まれているのは周知の通りだ。


財政再建派の与謝野馨財務大臣は社会保障費抑制を続ける気満々で、麻生首相も本音はともかく、それを政府方針とするつもりでいたはずだった。


尾辻と津島は、診療報酬引き上げを求める日本医師会の期待をになって、その方針を覆しにかかった。


民主党は診療報酬引き上げを唱えており、後期高齢者医療の問題をきっかけに、茨城県医師会のように民主党候補を推薦する動きも出ている。


選挙が迫る危機感が、尾辻や津島を強硬な態度にさせたのだろう。今日閣議決定される「骨太09」原案に、「骨太06をふまえて歳出改革を継続」とあった文言を、削除するよう、執拗に求めたのである。


「骨太06」が残れば、社会保障費抑制が継続するからだ。


党内基盤が弱い麻生首相は、最大派閥、清和会(町村派)から細田幹事長、平成研から笹川総務会長を党執行部の中枢に据えた。


彼らはどう見ても、小泉純一郎における武部勤のような忠臣ではない。


総務会で、政府案をめぐって紛糾するようなケースでは、これまでなら「三役一任」というような形をとりつけ、幹事長が中心となって、首相や関係閣僚の顔が立つよう話をまとめたはずである。


そうはならず、最終的には与謝野財務相が譲歩して、厚労族に屈するかたちとなった。


明らかにこれは、党内も閣内もバラバラな麻生政権の末期的症状を象徴する出来事といえるだろう。


もちろん、天下り団体やハコモノ、道路建設に使うカネがあるなら社会保障の充実にまわすべきだが、方針転換の仕方があまりに安易だ。


国家ビジョンと、それにもとづく一貫した政策のなかで、社会保障費の問題が位置づけられるのならともかく、集票の都合や政治家の力関係などで、方針がコロコロ変わるのでは、国民に支持せよというのがどだい無理である。


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