障害者支援法立案の厚労省局長、福祉悪用事件で逮捕 | 永田町異聞

障害者支援法立案の厚労省局長、福祉悪用事件で逮捕

政治ゴロというか、政界ブローカーというか、永田町や霞ヶ関に出没して、集めた裏情報をえさにカネを漁る連中は数多い。


郵便割引制度悪用事件の首謀者と見られるニセ障害者団体「白山会」代表、倉沢邦夫もその一人だ。


政界の「寝業師」といわれた岸内閣当時の幹事長、川島正次郎の秘書となったのが、永田町に食い込むきっかけとなった。


川島が1970年に亡くなったあとも、何人かの政治家の秘書を経て、政界裏舞台の人脈を抜け目なく築き、利権のネタを捜していたらしい。


政界を泳いで悪知恵を働かせる連中は、シロウトとは目のつけどころが違う。福祉を金儲けの材料にするのは卑怯だという真っ当な考えはツユほどもなく、福祉を食い物にしてなんとも思わない、恐るべき思想信条の持ち主たちである。


倉沢が「白山会」の前身、「凜の会」を立ち上げたのは、03年から04年のはじめごろ。障害者団体に大幅な郵便料金割引の恩典が与えられていることに着目し、企業DM発送の大量引き受けで儲けるビジネスを考えついた。


永田町と霞ヶ関の裏事情を知り尽くした彼にとって、障害者団体として活動実体のない「凜の会」を、障害者団体と認めさせる裏工作くらい朝メシ前と思ったかもしれない。


倉沢は04年春、厚労省の障害保健福祉部に赴いて幹部に接触し、「障害者団体として証明してほしい」と依頼した。普通なら、窓口の職員が対応するところだが、事前に電話でアポイントをとったのだろう。そのさい、民主党の政治家の名前を出したという情報もあるが、定かではない。


とにかく、お役所というのは、地方であれ国であれ、声の大きい事情通には、慎重に対応するところがある。


昨日、大阪地検特捜部に逮捕された厚労省の雇用均等・児童家庭局長、村木厚子はその当時、倉沢が訪れた障害保健福祉部の企画課長だった。


村木は倉沢や凜の会との関係を否定しているが、すでに逮捕されている当時の部下が、村木の指示で証明書を偽造したという趣旨の供述をし、倉沢も証明書を村木から直接、受け取ったと言っているため、大阪地検特捜部が逮捕に踏み切ったようだ。


村木といえば、同じ04年の10月、社会保障審議会障害者部会で、のちの「障害者自立支援法」につながるプランを提案した官僚であり、事務次官候補との呼び声も高かったといわれる。


しかし、障害者自立支援法が、2006年10月に施行されて以来、障害者の医療費の自己負担比率が5%から10%に跳ね上がり、障害者の経済的負担が増して、社会問題化したことは周知の通りだ。この法律が十分な議論の尽くされないまま成立したことは、大きな禍根を残した。


社会的弱者に対しては、スピーディーに制度を改悪してしまう一方、政治家の名前を出してトラの威を借り、いかにも裏情報を知ったかぶりする政治ゴロには毅然とした態度がとれず、考えられない偽装をする。


これは、村木個人の問題ではなく、厚労省にしみついた体質ではないだろうか。


事件には、このほか政治家の関与も取りざたされるが、総選挙前の微妙な時期だけに、マスコミも慎重な取り扱いをしているようだ。


おそらく、倉沢らが政治家の名前を利用しているだけだろうと推測するが、もし倉沢の悪だくみに加担して分け前にあずかった政治家がいるとすれば、一刻も早く議員辞職し司直の裁きを受けなければならない。


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