また無視されるのか、河野PT「アニメの殿堂」凍結提言 | 永田町異聞

また無視されるのか、河野PT「アニメの殿堂」凍結提言

身も蓋もない話からはじめるのは気が重い。緊急経済対策に悪乗りと悪評の高い「アニメの殿堂」に関してである。


自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」が、そんなもの要らないと、117億円の予算の凍結を求めることにしたという。


マンガやアニメ、ゲームを収集、展示するだけのハコモノだから当然の判断だが、それならもっと早く言ってほしかった。


すでに、この案件を盛り込んだ21年度補正予算案は衆院で可決、参院で否決され、今日から3日後の今月12日には自然成立する。


「無駄遣い撲滅PT」といえば響きだけは威勢がいいが、残念なことに、なんら決定権がない。


「報告」や「提言」という形で、党政調会の部会に提出しても、総論賛成、各論反対の族議員の抵抗にあって、あっという間に腰砕け、というのが現実だ。


具体的には、いくら「この事業は不要」という結論をPTが出しても、部会で「事業を見直す」「検討を加える」という表現に修正されて、「ハイ先送り」ということになる。


部会の決定が、そのまま政調会、総務会の決定となり、党の政策となる。部会が霞ヶ関と利害一致の族議員に牛耳られているのは周知の通りだ。


野党から霞ヶ関の無駄遣いを追及された福田前首相が急遽、自民党の政調会のなかに設けたこのPT。河野太郎、福田峰之、山内康一らチームのメンバーがよくがんばってきたことは事実だ。


評価できるのは、シンクタンク「構想日本」が各自治体で成果を上げている「事業仕分け」という手法で、必要な事業と不要な事業を選別しようとしていることだ。「政策たな卸し」と呼ばれることもある。


「事業仕分け」は、国の仕事を国民の視点から、オープンな場で、個々具体的にチェックする作業で、民主党もこの手法を採り入れている。


話はそれるが、河野太郎は、衆院の外務委員長として、これまでにない姿勢を打ち出し、話題になっている。


ごまかしのような政府答弁をなくして委員会の議論を活性化するため、政府側に時間的猶予を与えるかわり、曖昧さのない、きちんとした答弁を求めるのだが、見ていると委員長がなかなか凛々しくて気持ちがいい。


こういう改革意識の高い中堅・若手議員をもっと生かし、育てる器量が自民党の重鎮たちにあれば、再生自民への期待感が膨らみ、根本的な党勢復活につながっただろう。


あらゆるしがらみを断ち切って、全ての事業をゼロベースで見直すという、PTがめざす方向に舵を切れないのは、まだまだ官僚依存の利益誘導型政治家が幅を利かす自民党の実情を物語っている。


そのため、「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」が、中堅・若手の不満のガス抜き装置として使われ、行革ポーズを装う選挙対策として利用されている感があるのも、外から見ていて気の毒な気がしてならない。


とりあえず、PTの提言を尊重して「アニメの殿堂」予算を凍結することくらいせめてやらないと、麻生政権はますます泥沼に沈んでいくのではないか。


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