本気か、古賀誠の自公選挙協力見直し発言 | 永田町異聞

本気か、古賀誠の自公選挙協力見直し発言

昨夜、自民党各派閥事務総長と会談の席で、選対委員長、古賀誠からついに飛び出したこの言葉。


「比例の180議席をみすみす公明党に渡していいのか。小選挙区も自民、比例も自民だ。自民党は自民党の政策で戦わなければ弱体化する」


深夜のテレビで速報されるや、衝撃は夜の静寂を切り裂くように政界に広がった。選挙における公明党との協力関係を見直すというのなら、自公連立政権を根底から揺るがすことになる。


党の存亡の危機が、こういう発言を生んだのだろう。麻生政権を追い込んでいる元凶は、もとはといえば公明党の政策「定額給付金」をめぐる迷走と、2兆円を要するその政策の効果に向ける世間の疑問と批判の声だ。


同席者の「公明党を切れば自民党の支持層が戻る」という指摘をうけて、古賀が示した反応が、前掲の発言だった。


いまこれを書いている時点で、公明党の見解は「真意を確かめたい」というていどのものだが、そもそも公明党自体、解散を先送りした麻生政権に不満が鬱積しており、今後、両党間に深刻な亀裂が生じる可能性がある。


自民、公明両党の選挙協力により、これまでは、おおむね自民党のほうが得をしているという見方が強い。事実、小選挙区は公明票に依存して当選している自民党議員が多い。公明党が候補者を立てていない小選挙区では70%以上の公明支持者が、自民党の候補者に票を投じたという調査結果もある。


元来、小選挙区は、小政党に不利である。だから、小選挙区では公明が自民を応援する代わりに、比例区ではこちらにに協力してほしい、というのが公明党の考え方だ。


選挙のさい自民党が「比例は公明」と呼びかけないことで原則的には合意しているが、実際には、公明党が個々の自民候補者に「比例は公明」と言わせている。


自民党候補者にすれば、そうしないと公明の協力が得られないとなれば、自党の比例候補者のことなどかまっていられない。「比例は公明」と連呼すればするほど、小選挙区の自分の票が増えるのだと思って、呪文のごとくその言葉を繰り返す。


しかし、大きな目で眺めると、実は公明党との蜜月関係が自民党凋落の一因になっていることは、誰でも想像がつく。目に見える公明組織票獲得と引き換えに、目に見えない一般的な自民支持層の離反を招いている。


公明党が創価学会という宗教団体にコントロールされている政党であるということ。その創価学会は池田大作という「絶対的存在」によって支配されているということ。この認識が、国民のかなりの層に浸透していることは明らかである。


以前にも書いたが、自らの経験から公明党と創価学会の「政教一致」を糾弾する元公明党委員長、矢野絢也は、公明党議員の実態をこのように語る。


「公明党議員は、創価学会のほぼ丸抱えで選挙戦に挑む。その分だけ、身も心も学会、池田先生にささげるという感覚になる」「政局に絡む発言は創価学会の了解なしにはほぼ100%口にすることはできない」


これからすると、「定額給付金」という愚策も池田センセイのご託宣を受けているものであり、公明党としては“尊き政策”なのであろう。


自民党内では、「定額給付金」への不満と、その撤回を求める声がくすぶっている。崖っぷちに立たされたいま、公明党がどう出ようと、選挙協力がどうなろうと、「定額給付金」を撤回して緊急経済対策をやり直す気になったのなら、まだ脈はある。


しかし、そこまで実際に開き直ることができるかというと、甚だ疑問だ。昨夜の会合で、古賀は「私は公明党から推薦を受けていない」と言い、選対副委員長、菅義偉も「麻生太郎首相も私も推薦を受けていない」と発言したという。三人の個人的な話を持ち出すところが、この党の結束の劣化を物語っている。


もし今後、公明党から問いただされ、「あれはそういう意味ではない。マスコミの先走りだ」などと古賀や菅が言い訳するようなら、麻生首相の口の軽さと大差はないことになる。 (敬称略)


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