来年1月国会、冒頭解散の可能性も | 永田町異聞

来年1月国会、冒頭解散の可能性も

世の中の関心はもはや麻生政権の次に移っているのではないか。今朝のテレビ報道番組には、政界再編のキーマンとおぼしき面々が出演していたが、肝心なことは誰も黙して語らない。当然であろう、大事の前に手の内をさらすようなことはしない。


フジ「報道2001」。自民党改革派の大物、中川秀直は、小池百合子らとの新議連結成について「再編への動きか」と問われ、「麻生総理を支える菅義偉さんも参加する議連だから」と、ソフトに受け流した。


一方で、「いまは大転換期だ。民意は政界全体がひっくり返るようなものを望んでいるのではないか」とも言い、一般論の衣をかぶせつつ、心の底流の思いをのぞかせた。


今の自民党は、福田、麻生と続く“官僚頼み”の政権により、小泉改革によって押さえ込まれていた守旧派議員が息を吹き返し、官僚、業界との長年にわたる「鉄のトライアングル」によって肥大化したモンスターが、本来なら社会保障に向かうべき血税まで貪ろうとしている。


構造改革が進まない以上、自民党の固陋な組織をいったん壊すしか、日本を変える方法はない。そうでもしなければ、この国の官僚による政治支配の構造は変えられず、税金の浪費は終わらない。希望的観測かもしれないが、中川もそう考えているのではないか。


麻生首相は、福田前首相が約束した道路特定財源の一般財源化に関し、1兆円を地方が自由に使える財源として配ると明言していたが、結局、道路族議員に押し戻され、一般財源化そのものが骨抜きになりそうな気配だ。


これまで地方に配分していた道路建設の臨時交付金7000億円をとりやめ、その代わりに、「自由に使える一般財源」だったはずの1兆円を、公共事業だけのための交付金として配り、うち8割ていどを道路事業にあてさせるという。


党がそう決めたら、首相は素直に了承して記者団に前言撤回。突っ込まれると「私はずっと同じことを申し上げている」と麻生節でごまかす始末だ。


これでは、自民党道路族は、政府を無視し統帥権とかいうものを振りかざして暴走した戦前の関東軍参謀のようであり、麻生政権の支持率を落とす元凶の一つであることにも気づかない党内のガン組織になり果てている。


官僚と族議員から内閣に政治を取り戻すため、公務員改革を標榜している渡辺喜美は報道2001とサンデープロジェクトに出演した。


麻生首相が「官僚は敵ではない」と言ったことについて、すでに「反麻生色」を鮮明にしている渡辺は「欣喜雀躍していますよ、霞ヶ関は」と皮肉をこめる。


今後については「理想は自民党と民主党が分裂して政界再編することです。できなければ選挙後に自民と民主で、この非常時に対応する危機管理内閣つくるべき」と言い切った。


渡辺の胸のうちには、「倒閣」「新党」が去来しているだろう。さすがにまだこの段階で「倒閣」という言葉は出さないが、中川秀直らと組んでひと暴れするチャンスと踏んでいるのは明らかだ。


今国会はすでに消化試合。来年の通常国会が主戦場となる。定額給付金を含む二次補正予算案や来年度当初予算、その関連法案をめぐって国会が紛糾するのは目に見えている。


すでに一部マスコミの調査では、麻生内閣の支持率は20%台に落ち込んだ。党内からは、「麻生政権で選挙はできない。もはや崖っぷちだ」「来年は新党がポコポコできるのでは」との声が閣僚経験者らからもあがりつつある。


このまま麻生首相の求心力が低下すると、おそらく政変は避けられないだろう。自民党から相当数の造反議員が出れば、衆院で重要法案の再可決が難しくなるのはもちろん、場合によっては内閣不信任案が可決されないとも限らないのである。


テレ朝「サンデープロジェクト」で、公明党の太田代表は「来年1月の通常国会冒頭か、4月の解散をのぞんでいる」と明言した。予算案、関連法案の通過をひきかえにした、野党との話し合い解散も考えられるが、ひょっとしたら、麻生首相の頭には、土壇場に追い込まれる前の「1月破れかぶれ解散」がチラついているかもしれない。


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