ちぎれた私の右腕が再生した
元の形とは少し違う形で
時計もちぎれた時間に戻ったようだ
カチカチと鳴る耳障りな音だけが
今わかること
なのに
素知らぬ顔で私の横を素通りしてゆく
私の脳は
ちぎれた時を覚えている
ちぎれる前の形を覚えている
現在の私の右腕と元の右腕との齟齬が
私を混乱させてゆくのだ
混乱の後の静寂
新しく生まれた時間の中
身体ごと
心ごとたゆたっていたいのに
儀式のように右腕を失う時が訪れた
ほんの一部を失くしただけ
ほんとうの私は確かにここにいる
厚い雲の下のひまわり畑に隠れている
リバースボタンを
無関心を装い押した
あなたも私も
誰もかもが感情を放棄した夏でしたね
やがて
大きな音を立てて泥をはね飛ばし
灰緑色の雨が降ってきた
私は無関心を装い
再生した右腕でリバースボタンを押した
2023 7 23 筆