今日は外来でとても嬉しいことがありました。
産休明けすぐにいらしたお若い患者さん
 
 
病名は尋常性乾癬
 
 
聞きなれない病名かもしれませんが
日本には10万人以上患者さんがいらっしゃると言われている
難治性の皮膚疾患です。
 
 
全身の皮膚に赤く隆起した発疹に
白い鱗のようなフケ状の皮がつき、
ポロポロ剥がれるのが特徴です。
 
 
決して他人に感染る疾患ではないのですが
見た目がショッキングなのと
人によっては全身の関節痛も伴うため
かなりQOLが下がってしまう疾患です。
 
 
私が皮疹の評価をしている患者さんは
乾癬の皮膚症状がほぼ全身にあり重度の状態でした。
 
 
何年も乾癬の治療を受けられたようですが
なかなか良くならないことで医療不信になり
民間療法もしてみたけれど、効果はなく症状が悪化したそうです。
 
 
 
そう、この尋常性乾癬は私が皮膚科医になった頃から塗り薬でなんとか症状を抑えて(と言ってもなかなか完全に治ることは少なかったですが)
皮疹と一生付き合っていく感じだったのです。
 
 

ただ、最近になって生物学的製剤という元々、リウマチに使う薬が乾癬にも適応になり治療の幅が広がってきているのです。
 

 
前述の患者さんもこの生物学的製剤のことを調べてクリニックを受診されました。
 

 
まずは、従来通りの塗り薬をしっかり塗っていただき、専門医の判断のもと12月に一回目の生物学的製剤を投与したところ、驚くほど皮疹が改善していたのです。
 
 
薬が著効したこともですが、何より患者さんが、もう一度、治療をしようと思って良かったと笑顔で話してくれたことが本当に嬉しかったです。
 
 
 
もちろん、治療はこれからも続きます。
そして全例、同じような経過はたどるわけではないですが、今までは苦しんでいる患者さんにできる手だてが決まっていた中、希望が見えてきているのは確かです。
 
 
 
昔はあんな病気があったね
そんなことがいつか言われる日が来るように
私もしっかりと勉強していこうと思います。