安倍首相が17日中に被災地に70万食を届けるというニュースを聞いて、不思議に思った方も多いと思いますが、実はここに、今回の熊本地震の特殊性が見えてきます。

14日夜半の最初の地震から48時間の急性期、つまり、災害救助の山場を越えた後、避難者の生活支援に力を入れる段階に入った時点で、「熊本地震の避難者数」が危機的な状況であることを官邸の災害対策本部は把握していたはずです。


具体的には、16日夜に避難者数が19万人を超え、岩手3県最大38万人であった東日本大震災の半分に届くほど、熊本地震は特に避難者が多い地震です。ちなみに断水は41万世帯で、東日本大震災の260万世帯の約15%程度に留まっています。もちろん、現時点での概算値なので、被害が拡大する可能性はありますが、群発地震や土砂災害に備えての避難者が多いと言えます。


つまり、最も力を入れるべきは、地震発生後3日目に19万人に及ぶ避難者と被災地の食料不足を速やかに解消するために、素早く大量に食料の調達をすることだったと思われます。ちなみに、熊本県内の避難者は現在11万人まで急減しています。


4~7日目は、避難所の給食、給水、入浴、防疫の作業が自衛隊を中心として本格的となります。DMAT隊員、医療関係者の疲労は極限に達していて、そのことを考えると心が痛みます。地震も引き続き、予断を許さない状況が続くでしょう。すべての被災者、救援隊の方のご無事を心から願います。



熊本・大分 避難者は19万人超
ロイター通信


断水、交通網寸断…九州全域に広がる混乱
毎日新聞



過去の大震災、避難生活者の推移
内閣府



東日本大震災水道施設 被害状況調査の概要 
厚生労働省健康局水道課 



<地震関連>県内の避難者、11万人に減少
熊本日日新聞