前回の続きです。

最後に3、母乳の味、質、その他についてです。先日の「母乳について」のエントリーがここに相当します。

 

「母乳について」のコメントに
「お母さんは卵を控えた食事にして下さいと言われました」

とありますが、おっしゃった方が専門医であるならば、指導に合わせるのが正解です。前述の食物アレルギー由来のアトピー性皮膚炎か蕁麻疹など即時型症状の可能性があります。
除去試験であるならば、厳密にお母さんは実行しなくてはいけません。

 

しかし、日本アレルギー学会の見解によりますと、
「子どもさんのアレルギー疾患発症を予防するために、妊娠中や授乳中に安易な食物除去を行うべきではありません。」

http://www.jsaweb.jp/public/general/qa_shokumotsu_14.html

 と、アレルギーと胎児、乳児に対する基本的な姿勢をしめしています。

 

また、日本小児アレルギー学会がとりまとめた食物アレルギー診療ガイドライ2012によりますと、
ハイリスク児の母親の授乳中の食事制限を推奨しない
つまり、遺伝的にかなりの確率でアレルギーになる乳児に限っても、母親のアレルゲンとなる食事の制限でさえ、おすすめできないとの見解です。

 

食事制限による偏った食生活の方が、母子の健康を損なうと考えられていて、
母乳へのお母さんの思い込みや自己判断に対して、医学会も警鐘をならしています。

 

次に、食物アレルギーについても、自己判断はしないこと。
必ず小児科医の指導に従って下さい。


そして、母乳には食事によって味の変化などありませんし、乳腺炎になったりもしません。
安易な食事制限は母子の栄養不良を引き起こし、乳児の発育を阻害する要因になります。

 

 

私は小児科の専門医ではないので、
学会の出しているデータと小児科医の先生方のご意見を聞き分かりやすく書いたつもりです。

多くの先生方もおっしゃっていましたが、母子の健康を損なわない程度の食事制限を「したい方」はしてもいいと思いますが他人にそれを強要したり、それをしないのは母親として失格だ!!
というのはおかしいのではないでしょうか?

 

 

不安に思っているお母さん達の参考になれば幸いです。

 


食物アレルギー診療ガイドライン2012/日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会

http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/index.html