治療中止後も、他の人に比べたら生理痛は重かったのですが
以前よりは少しましになったのと、副作用が耐えられなかったのとで
積極的な治療はせず、月に一度の定期検診のみ病院へ通っていました。


ただ、頭の片隅にはいつも『将来、妊娠する事は難しいかも』
という思いがありました。


不安のなか未治療のまま経過していましたが
1999年、日本でも低用量ピルが解禁になり、
『ホルモン療法』で使う薬の選択肢が広がったのをきっかけに、
低容量ピルの内服を始め、そこから10年近く内服を続けてきました。



正直なところ自分が『妊娠できない』と確認するのが怖くて
仕事が忙しい、楽しいという理由にかこつけて
『妊娠しない』と自分で決めたんだ
そう無理矢理、自分自身に思い込ませていました。



そんな時に今の主人に出会ったのです。
彼は代々家を継いでいく家庭に生まれた事もあり
お付き合いをはじめ、結婚を意識しだした頃に
『できるできないは別として、子供を欲しいと思っている?』
そう聞かれたのです。


その時はじめて押さえていた自分の気持ちに気がつきました。


そこからは、主治医と相談しピルの内服を中止しました。
長年、内服を続けていたことで、生理痛を感じる事は少なく
癒着などの症状も改善していました。


そして、とてもありがたい事に結婚後すぐに子供を授かる事ができたのです。


妊娠がわかった時には本当に、本当に嬉しかった。
辛かったけど自分の病気としっかり向き合ってきてよかった。
そう心から思いました。



もちろん日常生活でも規則正しい生活を心がけ、食生活なども見直しました。
南国生まれで冷え性だった事もあり、身体を冷やさないように努力もしました。


ただ、それもしっかりと治療を行った上でのプラスαだと思っています。
正直、生活習慣や食生活だけを改善しても、内膜症が改善するのは難しく
しっかりとした診断のもと、適切な治療を行う事が大切だと思っています。



内膜症にかかる女性は10人に1人と言われていて、近年増加傾向にある病気です。
20代から30代におこりやすく、仕事も充実し、妊娠、出産を考える
大切な時に発見されていろいろ悩む事も多いと思います。
ですが、それをネガティブにとらえず、
自分の身体と向き合うチャンスととらえてもらえればと思います。


実際、私も内膜症を煩った事がきっかけで医師を志しました。
そして20年以上、産婦人科のお世話になり、
いまでも自分の身体と向き合い続けています。


それに今は以前よりも治療の選択肢が増え、
副作用も少なく治療できるようになっています。
もし生理痛が年々、酷くなっているとか、
内膜症だと診断されたけど治療が怖い
そう思っている方がいれば、直にでも産婦人科へ受診してください。



あまり参考にならないかもしれませんが
内膜症や内膜症での不妊で苦しんでいる方の目に止まり、
心や身体の負担が少しでも軽くなってくれたらとても嬉しいです。


どうか、前向きに自分の身体と向き合ってください。


そして多くの女性が、女性としてのライフスタイルを楽しみ
妊娠を希望しているすべての方の願いが叶いますように。
心から祈っています。


長文になってしまいましたが
最後まで読んでくださってありがとうございました。


友利新