場所は東京新宿。
彼が動くときは必ずと言っていいほど空がどんよりと曇り、今にも雨が降りそうな天気になる。
こんな天気になると彼の回りには事件が起こることが多いのだ。
彼は発生した事件について、警察への協力を惜しまない。
新宿に住む彼は安心して暮らしていたいのだ。
だから事件の早期解決を望んでいる。
安心して暮らしていたいから…。
しかし事件の遭遇率が高いので、一時期警察に疑われていたこともあった。
それほど事件遭遇率が高く、そして解決率が高いのだ。
彼のその性格が警察にわかってもらうまで、とても苦労した時期があった。
今回もまたどんよりした雲が新宿を覆っている。
こんな日には何か事件が起きる。
改めて気持ちを切り替えてスーパーへ買い物に行こうとするのであった。
彼は予定通りというか、やはり事件に遭遇してしまった。
ひったくりの窃盗事件ではあるが、被害者がカバンをひったくられた際、バランスを崩し転倒して頭を地面に強打したのだ。
そして意識不明の重体。
そして一部始終を目撃してしまった彼は、一目散に警察に通報しに交番へ走ったのだった。
ところが、被害にあった人物は想定外というか、暴力団関係者であった。
直接の暴力団ではないが、暴力団員の妻だったのだ。
ひったくりが暴力団と結びついてしまったことに、彼は不安を隠しきれなかった。
なぜなら彼が第一発見者であるからだ。
ひったくりの加害者は未だに身元がわかっていない。
となると暴力団の矛先が彼に…。
さらに被害者が亡くなるようなことにでもなれば…。
彼は思考することをやめた。
あとは警察に任せることにしよう。
しかし…。