く「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」2024年度提案募集に向けたオンラインセミナー
「社会レベルでの取り組みによる孤立・孤独予防とは」
3回連続で、孤立・孤独予防についてブログを書いていますが、学ばせていただいているおかげで、今回のセミナーもよく理解できました。
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浦 光博 先生(追手門学院大学 教授/広島大学 名誉教授)
「多様な社会的ネットワークの構築による孤立・孤独の予防」
孤立・孤独だと何が問題なのか
身体、精神、対人、職業、社会への影響をおよぼす。
人間性と道徳性を失わせる。
全国47都道府県の20代から60代男女10,000名を対象としたWEB調査で、おどろくことに、本人が孤独でなくとも、住んでいる都道府県のレベルが孤独であれば、本人個人も影響を受ける。
だから、社会全体の孤立・孤独を減らしていく。
2次予防は行われてきたが、孤立・孤独はそれぞれちがうため、オーダーメイド的な介入が必要になり、難しい。孤立している人は外部から見えにくいし声を上げない。
個人レベルでの孤立・孤独予防は研究されてきましたが、社会レベルでの予防研究は少なかった。
社会の中にたくさんの選択肢があってコミュニティ間の移動が自由であり、1つのコミュニティに縛られないことが、もし、そのコミュニティでの人間関係がダメになった時には次へ、という、関係流動性の高さが他社との関係性の良好さとも関連している。
今までは地域社会の人間関係が濃く固いものであるということが昔からの組織だった。
こういった組織では下手をするとアノミー性を持ってしまうという。
現在は、ほどけている地域と、ほどけていない地域が混在していて、ちょうど過渡期である。
じゃあ、人間関係が単にゆるければいいのか、ということではなくて、家族、友人など固い人間関係を確保しながら、社会的には緩い環境が必要である。
一方、今までの生育歴などの人間関係で安心できる受容経験がなかった人には、安心できる場所を
複数作って提供していくことが求められる。
リアルな人間関係に疲れた人がSNSや、おしゃべりAIに孤独解消を求めることは、嗜癖につながるのではないか、そこは効果検証が必要である。
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実際に私が相談を受ける場合も、組織の中で客観的には孤立しているようには見えなくても、本人は孤独を感じている場合があります。
だから、わかりにくいし、助けにくいんですね。
次回は、
佐藤 嘉倫 プログラムアドバイザー(京都先端科学大学 人文学部 学部長、教授)から学ばせていただいた、
「孤立・孤独予防のためのソーシャル・キャピタル構築に向けて」
について伝えます。