第二十五章
「やっばーめっちゃはずいじゃん」
「ほら、幸一くんいるよ」
「うわー最悪ー」
ミイナは窓側によけた
「こっとんでガードする」
「なにそれー」
このことに一番滝口が反応した
「えーなになに!ミイナちゃんかくれちゃってるのー」
「うわ!!ぐっち言わないでよー」
「ほら、幸一もタキシード見せてやれよ」
「やめろよ!!」
幸一はみんなに押され廊下に飛び出た
「「ぶっ」」
ミイナと琴音は思わず噴き出した
「ちょ?!笑うなよー」
「だってー似合いすぎだよ、幸ちゃん 」
「幸一くんほんとの執事みたい」
すると幸一くんはにやっと笑って
「お嬢様がたの目は節穴でございますか?」
「あははは!幸ちゃんバカ」
ミイナと幸一がじゃれあっているのを見てことねはそーっと立ち去ろうとした
「琴音ちゃん」
「?」
そこにはプレーボーイの異名を持つ神崎 成がいた
「俺のこと知ってる?」
「え?・・・・・まぁ、有名だから」
『女好きで』と心でつぶやいた
「え?!俺有名?」
「うん、クラスの女子とかが話してる」
「まじかー、そうそう・・・・チラシとか持ってないの?俺絶対行きたいなー」
「ほんとに?!やった!!でもごめんね、今からチラシ作るの」
「そっかーだったらさ手伝うよ。そのかわり見学させて」
「え?!自分の準備は?」
「俺んとこ、お昼寝広場だから」
「ぶっ!なにそれー」
「だからさ!ね!」
「んー委員長に聞いてみるよ」
琴音は少し離れた委員長を追いかけてわけを話した
「純そうだねー、そう思うだろダイキ」
「そうかもね」
そう言ってダイキは立ったまま寝る体制になった
すると遠くから琴音が腕でまるをつくっていた
「おっけーだってー」
「おー!!」
と手を振り返した
「ダイキ行く?」
「いやここで寝てる」
「なんだよー幸一は?」
「おれはー」
「ダメ!!」
ミイナが耳まで赤くなって言った
「幸ちゃん来ちゃダメ!!」
幸一はハハっと笑って成を向いた
「だそうです」
「ちぇー俺一人?!」
すると成はマジな顔になり窓から2-1を見下ろした
「おまえは?俊介?」
にやっと笑いながらさもおかしそうに言った
「?!」
「!!」
「?!」
「?」
空気がピンと張りつめた
誰もが成と徳井のことを心配そうに見つめていた
ミイナに至っては琴音が来ないか心配そうにしながら成をめえいっぱい睨んだ
「は?」
徳井はぎっと睨んだ
空気がピリピリ肌に伝わった
無音が続き、誰もが息をのんだ
「だから、琴音ちゃん一緒に見に行かない?」
「おい!!成!!!」
幸一が止めようと成の肩をつかんだ
だが成は振り返りもしなかった
「ちょっと黙ってろ、幸一」
その言葉に幸一がたじろいだ
ミイナはその場で琴音が来ないことを必死で祈っていた
「何が言いたい?」
椅子をけっ飛ばし成の目の前へ顔を寄せた
「いやー俺は琴音ちゃん欲しくなっちゃったからさー」
「それをなんで俺に言った?」
徳井はブチ切れる寸前だった
「いやー俊介も好きなのかと思ってー」
「?!」
「!!」
「!!」
「!!」
「!!」
みんなが言ってしまったという顔をという顔をした
空気がずっしり重くなり、誰も身動きが取れない状態になった
がっ!!
「ぐえ!!」
徳井は成の襟を思いっきりつかんだ
「違うし、行かない」
「そりゃよかった・・・・・・」
少しの間にらみ合いが続いた
「徳井君?」
ミイナの表情がゆがむ
ぱっと視界を下ろしたその先には琴音が心配そうに見上げていた
「何してるの?徳井く・・・・・」
ばっとはじくように手を離しそのまま作業へ戻った
「うっへーこわかったー」
わらって『何やってるのさー』とでも言っている琴音を期待しながら琴音を見た
だがその目に成は映っていなかった
そこにいたのは心配そうな、悲しそうな、つらそうな片想いの顔をした琴音がいた
『ふーん』
中で作業する徳井から琴音のほうへと視界を映した
『そういうことね』
と考えながら鼻を鳴らした
『そっちの方が燃えるしね』
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