第十二章 さようなら
先生とのキスは
いつも違う味がする
タバコ臭かったり
それがイヤだって言った後の三回は
ミントのガムの味
バレンタインは
チョコの味しかしなかった
そのほかは先生が好きな
梅のお菓子の味がして
私は梅が苦手だから
いっつも先生が意地悪して
長くなるの
今回は
苦々しくて
嗚咽をまとう
いっつも嬉しかったのに
今は吐くのをガマンするのがやっと
止めたのは先生だった
「そろそろ帰れ・・・・」
突き放したのも先生
「先生・・・・・」
私を悲しく見つめたのも先生
「琴音、俺はお前の事を一番分かってる。無理するなよ」
私を残し出て行ったのも先生
バタン
でも、
それ全て望んだのはワタシ
先生を傷つけたのもワタシ
先生の心の中の
もやもやも
イガイガも
ざらざらも
ゴロゴロも
全部全部、私。
どうしてなんだろう
私を救おうとしてくれたのは
笹川もミイナも
先生だっているのに
どうしてあの人がこんなに大きくなっているんだろう
消さなきゃ
消さなきゃ
消さなきゃ
消さなきゃ
消さなきゃ
消さなきゃ
あの人を私の中から
あの人は私にとって害
そう蜂でしかない
咲かない私の周りでブンブンなって
蜜が取れないから
文句を言っているんだ
聞かない
開かない
見ない
絶対に感じてはいけない
無視しなくちゃ
私は咲かないの!!
絶対に開かない!!
開いたら、先生が消えちゃう
あの人の変わりに
「先生!!」
ドアを弾き
先生の元へ走る
もっと速く
私の足
鉛みたい
固く、重い
先生がいなくなる
「先生!!!」
先生の背中
私の力で折れてしまえ
「先生!ゴメン!!でも、先生がいなくちゃ!!私死んじゃう!!ごめんなさい!!」
私の中に先生以外いない
入れないよ
さっきはちょっと緩んだだけ
もう、徳井君はいないから・・・・・
つづく

