第十六章
「あのね、先生・・・・・・・・別れよう」
その言葉に先生は見たこともないような驚き様だった
普通の人の驚き方と違う
びっくりとは違う
何ともショッキングな顔だった
「え、なんで・・・・」
先生の質問にのどが詰まった
「あ・・・・」
パッと下を向いた
先生の顔を見ることができなかった
「なーんてね。冗談だよ」
そう言って先生はぽんっと私の頭に手を載せた
あの顔がとても冗談には見えなかった
「聞いてほしくないんだろ?わかってる。聞かないよ・・・・・じゃあな」
先生と話しているのに先生と目が合わない
まるで、ウソを見抜かれたくないような
「せんせっ!!」
行きかけた先生の体を必死に抑えた
「待って、先生にか言わなくちゃ・・・・・別れたい理由・・・・」
「どうして?おれはいいって言ってるのに」
「ちがう!ちがうよ!」
「何が違うの?」
「私が言いたいから話すんだよ」
「・・・・・・・」
「だから、聞いて・・・・」
「いいよ」
「私ね先生といると、自分だけ特別っていう気持ちになって、とっても嬉しいの。そして先生といると落ち着く、私のお父さんがいないからなおさら・・・・・・でもね・・・・徳井君が・・・・・私助けられたときからずっと・・・・・・好きだったと思うの、でも徳井君の告白を聞くこともできなかった。先生と過ごしていたかったんだと思ってたけど違った・・・・ただの自己満足だった。おまけに先生まで傷つけて、最低だね、私自分の気持ちも好きな人の気持ちも何も考えていなかった・・・・・だから」
「わかったよ」
「?」
「その先は俺に言うんじゃないだろ?」
「・・・・・ごめん」
「違うだろ、琴音」
「え・・・・?」
さ・よ・な・ら
先生の口がそう表した
「琴音がいいな」
「っーーーー」
涙が止まらなかった
「せんせ・・・・・」
「さよなら・・・・」
私と先生の二年間は幕を閉じた
--END--
