コロナ渦での衆議院選挙、蓋を開ければ自民公明の政権は維持。与党はやや議席減。野党集団は少し増加。維新が存在感を増した。そんな形に落ち着いた。政権交代はならず、旧体制の継続。なんだけど、少し意味が違うもののような感じもする。自民党の盤石牙城から、落選した大物議員、ベテラン議員。現職大臣の落選や、極めつけは現職幹事長の小選挙区落選。全く動かないはずの一枚岩に、亀裂がはいり、動かなかった大岩が少しだけど持ち上がり始めたような。特に石原伸晃議員の東京8区で、立民の吉田晴美さんが打ち勝ったのは感動的だった。氷は、僅かな亀裂だけでも、そこから一気にひびが入るという。そんな始まりにもなり得るような感覚だった。
野党共闘候補が破れた多くの地区でも、当選した自民党議員の年齢が若いことにも目が行く。たとえ党は違っても、若い世代は共通の問題意識や危機感を共有できるのではないだろうか。70歳、80歳で生活に困ることもない大臣や議員たちよりも、ずっと新しい風を起こしていけるのではないだろうか。私はそんな希望を抱いた。
個人的にはれいわ新選組、山本太郎が好きだ。質問をしてくる人にも丁寧にやりとりをする姿。国会では政権に歯に衣着せぬ意見を堂々と主張する姿。確かに、外交問題や安全保障などのことももっと語れるようになってほしいとか、言ってることが夢物語みたいといった声も聞くが、確実に政治に人を惹きつけていると思う。国債の仕組みを説明したり、憲法の仕組みを説明したり、生活者に政治の当事者になってほしいという姿勢とその発信力は、群を抜いているのではないだろうか。
与党議員で、あれだけ政治をわかりやすく話してくれる人が誰かいるだろうか。少なくとも私は記憶にない。与党のお偉いさんたちとは一緒に政治をしたくないけど、山本太郎さんとは一緒に政治をやってみたいとさえ思う。これはかなり大きな違いじゃなかろうか。そんな彼が比例でようやく議員に返り咲いたニュースをみて、ようやくホッとして眠ることができた。
野党共闘で目指していた政権交代はならなかった。でも、確実に巨大な氷に傷はついている。与党の中にも、いまのままの政権ではだめだ。本当のあるべき政治の姿は違うと、危機感を持っている若者たち。それと少数ながらエネルギーあふれる野党とが、何か凄まじい化学反応を起こすのではないだろうか。そんな楽しみをもたせてくれた衆議院選挙だった。3月には参議院選挙がある。政治から目が離れなくなってきた。
