『六月のぶりぶりぎっちょう』

万城目 学 著

(文藝春秋・2024年6月・図書館)

 

 

新直木賞作家、日本史最大のミステリー__「本能寺の変」に挑む

 

奇妙、珍妙、でも感動!メキメ・ワールド最高潮!!

 

その死体は信長__密室殺人事件に巻き込まれた私は、

うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう・・・。

 

洛中女子寮ライフ__14回生以上と噂のある、

女子寮の”お局様”の正体は!?

 

京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇

 

 

万城目学さんの最新刊。

 「三月の局騒ぎ」

 「六月のぶりぶりぎっちょう」の2篇

 

万城目さんは、ときどき「う~ん」と思う作品があって、

最近は読んだり読まなかったりですが、

直木賞受賞作「八月の御所グラウンド」はとっても好きでした。

今作もタイトルが似ていて京都が舞台ということで、その流れかと思ったら

シリーズ第2弾とありましたね。

 

「三月の~」は北白川にあるちょっと変わった女子寮のお話。

これは私自身が京都で女子大の寮生活を一年だけですが、していましたので、

むちゃくちゃ懐かしかったです。

この作品では2001年頃の話ですが、わたしはもっと遡る1980年頃、

さすがに「にょご」や「局」などの言葉は使いませんが、

生活スタイルは何だか似ていて、ほんと懐かしく思い出しながら

読んでいました。

 

「六月の~」は本能寺の変があった6月2日の出来事。

京都での研究発表会に参加しようとした高校教師が遭遇した出来事。

わたし、たまたま「本能寺ホテル」という綾瀬はるかさん主演の映画

テレビか何かで観ていて、ちょっと似ている?とか思いながら読みました。

関係のある人物の名前がたくさん出てきたのに、三木さんという人がいて

誰?と思ったら、その種明かしは笑いました。

 

「ぶりぶりぎっちょう」って何?と思ったら平安時代からある遊びなんですね。

万城目さんが作り出した言葉かと思って、検索してみたらほんとにあった言葉で

「振振毬杖」と書くそうです。知りませんでした。

さきほどの「本能寺ホテル」にも出て来たらしいです。

 

それはともかく、日本史最大のミステリー、

明智光秀はなぜ主君の織田信長を討ったのか?ですが、

信長自身が一番知りたかったのかもですね。

信長のセリフ「この街にはな、俺みたいな往生際の悪い奴が、

ほかにも大勢うろうろしているんだ」

なるほどそれで「三月の~」のあの人につながるのですね。

 

京都×万城目ワールド、続編もあれば楽しみです。