『夏空 東京湾臨海署安積班』
今野敏 著
(角川春樹事務所・2024年3月・図書館)
外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、
複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。
ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し、送検するも、
彼らの対立はこれでは終わらなかった・・・。(「略奪」より)
高齢者の運転トラブル、半グレの取り締まり、悪質なクレーマー・・・
守るべき正義とは何か。
揺るぎない眼差しで安積は事件を解決に導いていく___。
ドラマ化もされた大ロングセラー「安積班」シリーズ熱望の最新刊!
おなじみの安積班メンバーに加え、国際犯罪対策課、水上安全課、
盗犯係、暴力犯係など、ここでしか味わえない警察官たちの
それぞれの矜持が光る短編集。
目線
会食
志望
過失
雨水
成敗
夏雲
世代
当直
略奪
というわけで、安積班シリーズの最新刊、10編の短編集です。
予約してからずいぶん待ちましたが、待ったおかげでタイトルが
今の季節にピッタリになりました(笑)
相変わらず、安心安定の安積班の短編集です。
サクッと読めてしまい、それぞれの事件もサクッと解決します。
セクハラ、パワハラ、アポ電強盗、あおり運転、
迷惑系ユーチューバー等、近年のニュースを思い起こさせる犯罪が
織り込まれています。
このシリーズでは太目の刑事・須田がよく活躍しますが、
今回、「当直」の章では
同僚に「(女性刑事の)水野と同期だそうだが、お前らいい仲なのか?」と
尋ねられ、
「はい、同期ですから仲はいいですね」と答える須田。
天然なのかとぼけているのか。
乱暴な運転の自転車を取り締まれ!と怒鳴り込んできた一般人の
あしらい方はさすがでしたね。
図書館の予約本ラッシュが久々に来ていますので、
こういうサクッと読める作品はありがたいです。