『逆転正義』
下村敦史 著
(幻冬舎・2023年8月・図書館)
どんでん返しの名手によるエンタメミステリ短編集6編。
どんでん返された数が多ければ多いほど、あなたの頭は凝り固まっている!
常識とか普通とか思い込みとか、まっさらにして読んでみてください。
「見て見ぬふり」 教室のいじめ、みんな見て見ぬふりをするけれど
「保護」 コンビニの前で制服姿の彼女に出会った僕は
「完黙」 素人相手にクスリは売らない闇社会の男は
「ストーカー」 トイレで彼を殺した女の家に彼氏が現れて
「罪の相続」 俺の息子は殺される理由もなく殺された
「死は朝、羽ばたく」 刑務所から出てきた男に絡む少年たちは
初読みの作家さんです。
図書館の予約本が途切れてしまったので、皆さんのブログを読んで
気になった作品を何冊か借りてきています。
どんでん返しの効いたミステリ短編集。
紹介文にある通り、どんでん返された数が多いので
頭が凝り固まっているようで、
見事にミスリードさせられました。
印象的だったのは「保護」と「死は朝、羽ばたく」
「保護」は途中で、え?となって前に戻って読み直すことになりました。
仕掛けがわかると、なるほどーとなりました。
最後の「死は明日・・・」は刑務所から出てきた中年男性に
少年3人が声かけてお金を脅し取ろうとする話で、
少年らのしつこさに嫌気がさしながら読んでいたら、まさかの逆転が
待っていました。
これも真相がわかると、そうかーでした。
短編の賞を獲られた作品のようで納得です。
作者の術中にはまってしまい騙されるのが心地よい読書時間でした。