『椿ノ恋文』

小川糸 著

(幻冬舎・2023年11月・書店購入)

 

 

時が経っても、離れていても、大丈夫。

想いは、きっと届く。

余命わずかな母から娘への手紙、

認知症になってしまった自分に宛てた手紙・・・。

鎌倉で代書屋を営む鳩子のもとを、

今日も悩みを抱える依頼者が訪れます。

 

 

『ツバキ文具店』シリーズの第3弾です。

 

前作『キラキラ共和国』から6年。

ミツローさんと結婚した鳩子は,QPちゃんの母親になり、

その後、年子の小梅と蓮太朗を出産、(なんと同学年)

二人が小学一年生になり、休んでいた代書屋を復活させるところから

始まります。

 

可愛かったQPちゃんは中学三年生となり反抗期に、

さらに亡き先代に秘めた恋があったことが発覚したり、

鳩子は代書屋としても母親としても人間としても成長していきます。

 

ひたすら厳しい人だと思っていた先代=祖母に道ならぬ恋があったことが

わかるのですが、いやあ意外過ぎて驚きでした。

 

高校受験を終えたQPちゃんと伊豆大島の旅にでることになり

距離が近づきます。

手紙で想いを伝えた二人、思わぬ言葉が相手を傷つけたことがわかります。

近しい人でも分かり合えるのは難しいなと思う今日この頃、

このシーンは心に沁みました。

 

 

ところで、この本、図書館にないと思って書店で買ったのですが、

よくよく探してみたら図書館にありました。

つまり間違って買ってしまったようなものですが、

手書きの手紙文などが美しく手元に置いておきたい一冊だったので

かえって良かったです。