『この銀盤を君と跳ぶ』

綾崎隼

(角川書店・2023年12月・図書館)

 

 

二ヶ月後にオリンピック開幕を控えた、全日本フィギュアスケート選手権。

この大会には日本女子フィギュアの歴史を変える選手二人が揃った。

卓越したセンスと表現力を持つ完璧主義者・京本瑠璃。

圧倒的身体能力でジャンプの限界を超越する雛森ひばり。

波乱続きの競技人生を送る彼女たちをこの舞台に導いたのは、

それぞれのパートナーだった。

片や、運命が出合わせた師弟。

片や、幼馴染の選手同士。

強く結びついた女性二人×二組がひとつの五輪出場権をかけて対峙する。

 

 

初読みの作家さんです。

 

元々フィギュアスケートはよくテレビ観戦していたのですが、

一作年の北京五輪でりくりゅうペアにはまってから

動画や記事をみたりして、ペアだけでなく他のカテゴリも

それなりに知識も増えてきました。

 

フィギュアスケートをテーマにした小説ということで、

ちょっと興味があり読んでみました。

 

大会の年間スケジュールやルール的なことは現実のことが

そのまま反映されていて、登場人物は完全にフィクションで

モデルがいるわけでもないようでした。

 

もう一つフィクションだったのは2030年に日本の新潟でオリンピックが

開催されるという設定で、その前の2029年の全日本選手権で

二人の少女が出場枠を争うというのがこの作品の最終的な流れです。

 

フィギュアスケートはお金持ちでないとできないというのは有名な話です。

二人の少女は経済的にも才能にも恵まれ力をつけていきますが、

態度が傲岸不遜で人をくったような似たような性格。

しかも二人とも親が失脚だったり病気だったり、状況は一変します。

 

女子でも四回転が当たり前という男子並みの高難度の技を繰り出していきますが、

近い将来ほんとにそうなっていくのでしょうか。

下手に知識を持ってしまっただけに、あり得ない・・・とか思ってしまいました。