『成瀬は信じた道をいく』

宮島未奈 著

(新潮社・2024年1月・図書館)

 

 

我が道を突き進む成瀬あかりは、今日も今日とて知らぬ間に、

多くの人に影響を与えていた。

「ゼゼカラ」ファンの小学生、

成瀬の受験を見守る父、

近所のクレーマー(をやめたい)主婦、

観光大使になるべく生まれた女子大生・・・

個性豊かな面々が、新たな成瀬あかり史に名を刻む。

そんな中、幼馴染の島崎が故郷に帰ると、

成瀬が書置きを残して失踪しており・・・!?

 

 

『成瀬は天下を取りにいく』の続編になります。

 

前作が中学から高校時代だったと思うのですが、

今作の成瀬は高校3年生から大学1回生まで。

今回も成瀬の魅力的なキャラクターは健在で痛快でした。

 

周囲に迎合することがなくちょっと変わっているけど、

(高校を卒業するまでスマホを持たないというのも

ある意味すごい)

出会う人たちを魅了していきます。

 

5編ありましたが、わたしは特に

「コンビーフはうまい」が好きでした。

びわ湖大津観光大使に選ばれた成瀬、

もう一人は親子孫三代目の観光大使、お嬢様タイプで相容れないのかと思いきや、

インスタの使い方とか教わりすっかり仲良くなっていました。

 

マイペースな成瀬に最後の章ではみんなを巻き込み

お騒がせをしてしまいましたが、まさかのオチが待っていました。

 

ほんと面白くて、何度もクスクス笑ってしまいました。

続編希望。大学受験で知り合った城山があまり出てこなかったので、

次は出てくるといいな。

 

 

本屋大賞に『成瀬は天下を取りにいく』がノミネートされていますが、

わたしは大賞のイチオシです。