私が老健で働いていた頃のこと。とても大好きだったお年寄りが亡くなりました 学校の先生をされていた方で凛とした姿勢でいつも笑顔のたえない女性でした。
この仕事をしているからこそ、こういった場面に向き合う事は多々あります。
末期ガンで点滴も刺さらない状態でした。
オムツをつけるために少し体を動かすのでさえ激痛がはしります。
いつも、痛いっと叫ばせてしまっていました。「先生、ごめんなさい、痛いよね、ごめんなさい、先生」と言いながら交換していました。
でも
いつも
最後には
手を合わせて
「ありがとう。」
と言ってくれました。
私達には想像もつかない激痛の中、常に感謝の言葉を忘れず、しっかりと生きられた女性でした。
頑張って生きてほしい。でも、もう頑張らなくていいよ、ゆっくり楽になっていいよ。
その思いが私の中で二ヶ月間ほど交錯してて、そして昨日、安らかに天国に逝かれました。
『無関心の中の孤独死か、想いの中の自然死か』
ターミナル期を迎えられている方々を目の前にし、いつも繰り返す一節です。
想いのある介護、私は出来ているのだろうか。
悔しいけどまだまだだ。