5月は長い一月だった。
心の調子が悪くなりだして、顧客からのクレームでプロジェクトを降ろされ、
会社に戻れば、リストラを勧めてくる上司。
なんとか説得して、医者にも診断書を書いてもらって3ヶ月の休職に入った。
4月末の3連休から妻と子供を妻の実家に帰らせ、
YouTubeから中島みゆきさんの曲ばかり選曲しては、一人パソコンの前で
嗚咽を漏らしていた。
そんな時、選曲した一曲がこの曲。拓郎さんのファンではあるが、
恥ずかしながら知らなかった。
拓郎さんの曲との出会いは、中学生まで遡る。
友達から聴かされたのが最初。
必死でお小遣いを貯めて、YAMAHAのフォークギター(FG-151)を買った。
当時、一万5千円は中学一年生の私にとっては大金だったけど、
嬉しかった。Fのコードが押さえられた時なんて大喜びした。
私の学生時代は、楽器(ギターやベース)を手にする事で大きく変わった。
その拓郎さんが、「永遠の嘘をついてくれ」と歌っている。
正直者が馬鹿を見るのは、いつの世も同じかもしれない。
でも、種明かしをせず、嘘を突き通せば本当になるかもしれない。
病気にかかっていようが、いまいが、辛さは皆一緒なのだから。
たとえ一生病気と付き合って行かなくてはならなくとも、
それは言い訳にはできない。ならば、「大丈夫です。元気ですよ」と
答えながら生きて行かなければ。
どれ、35年側にいてくれたFG-151のハードケースを久しぶりに開けてみようかな。