聞いてもらいたい座長の「ひとりごと」をテーマに、劇団アランサムセ団員によるブログを再開いたします。
先ずは、我が座長より!
劇団アランサムセの金正浩(キム・ジョンホ)です。
次回公演―2017年2月7日(火)~10日(金)、日暮里アートカフェ百舌―の準備に東奔西走、沈思熟考、海砂利水魚の年の瀬の日々を送っています。
(7月に神戸公演を敢行したこともあり今年は東京公演を見送らせていただきました。今年はやらないのかというお問い合わせに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。)
さて、来年2月の公演は、南北共同声明45周年企画第一弾と銘打ちまして、韓国の詩人李仁石(リ・インソク)の戯曲「つばさ」をかなり大胆に脚色します。
南北共同声明は1972年7月4日、南北朝鮮が同時発表した、自主的、平和的、民族大団結の三大原則を含む祖国統一に関する合意文書です。
当時初級学校6年生だった私は、大人たちが「これで統一される!」とお祭り騒ぎで喜んでいたのを鮮明に憶えています。
戯曲「つばさ」は1973年に文芸誌に掲載されたものですが、故郷を黄海道(朝鮮民主主義人民共和国)に置く作家が、南北共同声明と盛り上がる統一への機運に大いなる刺激を受けて書いた作品であることは想像に難くないと思います。
新作公演以外の全ての上演に言えることですが、45年前のこの作品を今、上演する意味は何か、に対する答えを探すところから準備作業は始まりました。
45年間の、そして現在の「私たち」―老いも若きも、日本社会とその中の同胞社会に暮らす誰彼もーのことを問えるのではないかと模索しています。
それは本番の舞台でも続きそうです。一人でも多くの方に是非その「模索」に参加していただきたいと願いながら、公演に向けての諸々を随時発信していく所存であります。