伊勢型紙で彫る”私の日本” 昭和の記憶―蒸気機関車のある風景(野田和子)





この作品は大木茂写真集『汽罐車』の中の福島県・只見線 会津坂下 昭和47年(1972)

9月 を伊勢型紙で彫ったもの

蒸気機関車C11です

朝夕の時間帯には蒸気機関車の牽く客車も残っていたが

この年の10月 つまりこの写真の写された翌月

この線の蒸気機関車は廃止された


”汽笛一声新橋を・・・”と始まったわが国の鉄道開業は明治5年(1872)

あれから百年余蒸気機関車の雄姿は

歴史をいっぱい刻んだ

そして昭和51年(1976)蒸気機関車は国鉄から完全に姿を消した



伊瀬型紙で彫る”私の日本”―チャーター船に乗る学校帰りの子どもたち(野田和子制作)




こんなにすし詰めに乗って

よく転覆しないものだ

こども40人ばかり 大人4人

昭和35年10月のある日 山口県周防大島

民俗学者宮本常一の写した厖大な写真の中の1枚

周防大島は宮本常一の故郷である


離島の子どもたちは毎日こうやって学校に通ったんですね

決して豊かではない暮らしの中で子どもたちの笑顔は底抜けに明るい


一人ひとりの表情やしぐさ 服装に思いを馳せながら彫り

彫り終わると仲良くなった気分でした

伊勢型紙で彫る”私の日本” その4 東大寺廬舎那仏(山中良子作)



奈良の大仏さま

14.85メートルの偉容をいつも見上げていた

俯瞰すればこのようなお姿!

なんと人間の小さいことよ

一人ひとりが己が人生を抱え

祈りや願いや感謝の心で仰ぎ見ている


斬新な写真家の視点の作品を伊瀬型紙で彫りました

細部に工夫をこらし

カッターと錐でこつこつと自分の時間を彫るように

祈りをこめて彫りました