ソープランドは人生初だ
どんな体験もお初は心震える
格好つけるつもりはないけど
私は自分の性欲をただ満たしたいがためにソープランドを予約した訳ではない
ただ「セックス不足」という
キーワードに
めちゃくちゃピンときただけだ
私は欲求不満じゃない
自分で言うな。と思うかも知れないが、そう断言させてくれ
私は欲求不満ではない
私はもっと
私を知りたいだけだ
私を感じたいだけだ
私の中の私の声に従って
私は「シティヘヴン」の
一番上に出てきたお店に
予約をした
自分の中で決めたルールは
「お店を吟味しない」
「女性を指名しない」
「相手を気持ちよくさせる事がゴール」だ
セックスから遠ざかって
一年くらいになる
別にセックスが無くたって
人生は問題なく進む
でもいつの間にか
まだ童貞だった時みたいな
ビクついた自分が
そこにいる事に気づく
すべての人がそうだと
言いたい訳ではない
ただ私はまだ
セックスから学ぶべきことが
たくさん残されているような
気がするんだ
私はセックスが好きだ
セックスをしている時は
自分が自分らしくいられるし
相手も本来のその人として
いてくれる気がする
その反面、私はセックスが怖い
自分がバレるのが怖いし
相手の本当の姿を知るのが怖い
そう。
俺は自分がバレるのが
今もめちゃくちゃ怖いんだ
4階に上がったら
女の子が待っています
そう受付の男性に促されて
狭い階段を登って行ったら
贔屓目に見ても「ふくよか」を
超えた体型の30代後半の女性が立っていた
彼女は肩や太ももに何か出来ものみたいのがあって
髪は掃除してきたばかりのようにぼさぼさなのを束ねていた
彼女はお世辞にもキレイとは言いがたい風貌だった
「相手を気持ちよくさせることがゴール」まじか。例外つくっていいですか
そうもう一人の自分に
思わず聞いた
「風俗」はもちろん
初めてじゃない
お金を払ったのに何もしてもらえなかったこともあったし
ぼったくられて、呼び込みの男を探して問い詰めたら、めちゃくちゃ怖い人に凄まれたこともある
びっくりするくらいの「オバさん」が出てきて、寝たフリをしたこともある
でも、自分のなかで
「ないわー」と思った相手と
ちゃんとセックスをした経験は
一度も無かった
彼女は喋り方が下品だったし
私よりだいぶ若いはずなのに
すごく老けていたが
これがもし
今の自分に必要な体験なのなら
よし。乗ろう
私はオバさんみたいな笑い方をする彼女に背中に手をまわして
そっと触れた
女性がセックスで演技をすることがよくあるのは知っている
ましてやプロとして毎日何人もの男性とセックスをする立場なら尚更だろう
真実は解らないが
私は彼女を満足させることが出来たと思う
私に何かすごいテクニックがあるとかでは全然はない
ただ彼女のリズムに合わせて時間をかけて
ゆっくりゆっくり触っていっただけだ
おばさんみたいだった彼女が
ものすごく美しく見えた瞬間があった
きっとそれが
彼女本来の真実の姿なんだろう
私が「おばさん」と呼ぶのは
歳を重ねた全ての女性の事ではない
人は年をとっても美しく在れると思う。
でも自分の人生を諦めたり、他人が思う自分を本当の自分だと信じてしまった時に
人はおじさんになり
おばさんになるんだと思う
セックスをしている時の
彼女は美しかったし
可愛らしかった
彼女の中の隠れていた女性性が
その瞬間だけ現れて
そのことに私は感動した
男性にとってセックスとは本来
女性の喜び>自分の射精
だと
私の性のメンター
アダム徳永先生は言っていた
お店を出て繁華街を抜けて
家路につきながら
私は若い頃に感じていた
「風俗帰り」の後ろめたさや
虚しさを微塵も感じていない
自分に気づいた
まるで男同士の決闘を
正々堂々とやり終えたみたいな
爽やかな気分だ
男性にとってセックスとは
勃起のプレッシャーや
射精の早い遅い
相手の評価がひどく気になる
困難だらけの苦行とも言える
女性にとってセックスとは
傷つく恐れや
妊娠の不安、妊娠できない不安
相手から品定めされる屈辱
男嫌いになる要素満載の
困難だらけの苦行とも言える
でも私たちの本質が「意識」で
「私」が幻想なのだとしたら
そんな困難さも含めて
セックスとは
肉体を持った意識にとっての
今しか味わえない究極の遊びだ
私はセックスが好きだ
そして同じくらい
あなた方の事が好きだ
そう心から言える自分になりたい
口先だけで愛を語っても
本当の私なんて
見つかりはしないんだ
あなたはセックスが
好きだろうか
セックスなんて
なくても平気だろうか
どちらもアリだと思う
私の中にも両方の私がいる
セックスなんて
面倒くさい
人生はセックスなしでも
余裕でまわっていく
その通りだ
あなたがセックスを
好きでも嫌いでも
どちらも問題ないけれど
でもよかったら
もっとセックスの話をしませんか?
120分4万5千円の
貴重な体験をシェアしたのは
もっとあなたと
セックスのことを
普通に話したいからです