素直さ | バイオリンの先生の日記帳

素直さ

教わり上手な生徒さん(とその親御さん)がいます。

こちらの意図が非常に素直に入っていくのです。
普通、人は何かを教わるとき、教わった内容を自分なりに咀嚼して、自分なりに判断しますよね。
でも、それは今自分の持っているバイオリンの常識の中だけでの判断です。
これほど当てにならないことはありません。
もっと上の広い世界では、今持っている常識では全く見えていなかった事柄がほとんど。
いままで大きい音は力をいれて弾かなくてはいけないと思っていたら、実は力を緩めて脱力するのだ。などということがあるわけです。


教わり上手はまったく咀嚼をしないのです。言われたことをまさにそのままストレートに実践します。
理由は、「先生に言われたから」以外にはないのです。

「いわしの頭も信心から」私は信じてもらわなくては何も出来ません。
鈴木先生もおっしゃっているように、私は「将来ものにする」ために生徒さんを教えているのではありません。
ものになろうが、なるまいが、全ての生徒さんにその場その場で、今より上手くするための最善の方法を実践するだけです。
その中には、今の皆さんの理解度では、まったくとんちんかんに感じることもあるでしょうが、ちゃんと意味があります。

おじいちゃんのバイオリンで紹介した、まゆこちゃん。
(今はレッスンに来てないけど)とてもセンスのあるいい演奏をしますが、中学生くらいになると部活と勉強で練習不足!
9巻でモーツァルトがなかなか弾けず苦戦!
私がなにげなく「1巻からさらいなおした方が早いんじゃない?」というと、次からは9巻ではなく、1巻を持ってくるような子でした。

みなみちゃん。小4ですが、すでに私よりテクニシャンなブルッフのコンチェルトを演奏します。発表会が楽しみです。
今は上級になって、自分で判断しても差しさわりのない部分も増えてきたので本人に任せていますが、かつてはレッスンで、私が「ここまでやってくるように」と言ったところよりは、一ミリも先を練習しなかった。(そこまでは完璧に弾けているんだけどね・・)
浮いた時間で何をやっていたかと言うと、わたしが「おさらいが大事」といったので、おさらいをしていた。
6巻の真ん中くらいになったある日、ひょんなことから毎日5巻のゲーモールを全楽章おさらいで弾いているということが発覚!さすが!!

ヒロピ(小4)とゆうなちゃん(中2)のママ。私がレッスンのとき「音に芯がたりない!」と言ったので、おうちでのレッスンで「音の芯」なんてなんなのかさっぱり分からなかったけど、とにかく「芯、芯!」と言い続けた(笑)
桜ヶ丘の子はグループレッスンでヒロピのチゴイネルワイゼン聴いたでしょ?
こういう意味においては、お母さんが全く楽器ができないと言うことは大きなメリットですね!
小さいうちにどんどん伸びていくお子さんの親御さんは、「超素直派」で言われたとおりやっていたらいつの間にか上手くなってしまっているパターンと、「超ど根性派」でビシビシとにかく練習させて必然的に上手くなるパターンのどちらかみたいです。

これはほんの一握りの例ですが、こういう素直さが教わり上手の人にはあります。
同じ月謝払っているのだから、教わりべたは損ですよ!