歴史散策 有岡城惣構を歩く | 荒木村重研究会

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荒木村重研究会は「荒木村重研究序説」(瓦田昇著)の発行をきっかけに翌年1999年に伊丹で誕生しました。
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有岡城惣構を歩く  参加11名


荒木村重研究会の有志が企画し、2024年10月13日(日曜)に実施しました。


散策の概要

午前10時

有岡城跡集合

事前説明
有岡城は伊丹台地の東縁の高台を巧みに利用した平城です。元は伊丹氏が南北朝時代から戦国時代にかけて伊丹城を築いていた所です。その後荒木村重が大改造を行い、城だけでなく待町、町屋地区共に堀と土塁で囲んだ惣構えの城としての価値を認められ、昭和5412月に国の史跡に指定されました。





散策は先ず北方面へ出発


北ノ口砦趾

主要な出入口のうち北にあったと考えられています。図中①

Google map


地図①関連の写真


北ノ口砦趾


地図② 道標


「右 京 池田」(京都、池田方面)

「左 多田 久代」(多田神社、久代(現川西市域)

と書いてあります。多田神社(この場所から北へ徒歩2時間の距離)は、織田信長・荒木村重による合戦の兵火に焼かれ一度荒廃した歴史があります。


今昔マップより


岸ノ砦(きしのとりで)趾
有岡城惣構えの北端を警護していた砦です。現在の猪名野神社境内に位置して土塁跡、堀跡が残っています。重臣 渡辺勘大夫が守備していました。」


次は岸ノ砦趾へ徒歩移動


この日は秋祭りでとても賑やかでした。

説明にも力が入ります。


「岸の砦、北の口はいずれも西国街道に通ずる為重要な砦でした。北の口にある鉤型に曲がる経路、断崖となる高 台など見ていると岸の砦だけでなく北の口にも強固な砦が存在し、2つの砦は相互に機能していたと考えられます。又、岸の砦が落ちた際、渡辺勘大夫が多田に逃亡した話で北の口に通じる多田道からのルートではないかと思います。

有岡城西側防御線石塁跡 (伊丹小学校横)

稲名野神社西側には土塁と堀跡が残っていて、JR伊丹駅前の有岡城本丸跡とともに国指定史跡となっています。

Google map





惣構の西方面へ
昆陽口砦(こやぐちとりで)趾

西側の防衛の口であり主要な箇所であったと思います。江戸時代には昆陽口村があったとの事です。昆陽方面の出入り口であったと思います。有岡城攻め初期には織田信長の本陣であり突入時は滝川一益の陣があった所です


周辺は伊丹小学校、北東にいたみホールなど整備されているが、小路にその名残を垣間見ることができます。



昆陽口(こやぐち)付近の様子

彫刻家 田中昇氏の作品が目を惹く


法厳寺(ほうがんじ)

境内にある天然記念物『法巌寺の大クス』は兵庫県及び伊丹市指定文化財で、近畿の三大クスの一つと言われています。楠の根元には有岡城惣構えの土塁が僅かに残っています。


Google map







このあと、昼食休憩、
13時過ぎに南方面の散策へ向かいました

上臈塚砦 (じょうろうづかとりで)
元シティホテルの辺り、古墳を利用して築かれていた砦です。昆陽口、あるいは鵯塚砦(ひよどりづかとりで)を突破された際、町への侵入を防ぐ為の砦だったと思われ、街道としては塚口に通じていると考えられます。この砦は滝川一益の調略を受け、中西新八郎他数名が寝返り、砦を開き織田軍の勝利をもたらした場所です。この砦を守備する人は武将クラ スではなく足軽大将クラスでした。


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墨染寺(ぼくせんじ)
有岡城が落城の際捕らえられ、惨殺された数百名に及ぶ婦女子の霊を弔うために築かれた女郎塚があります。上島鬼買親子の墓、飛騨高山のダンジリ屋台の彫刻で有名な晩年を伊丹で過ごした谷口与鹿のお墓があります


源道仲が創建した七堂伽藍を構える巨刹であったが、天正7年(1579年)荒木村重の有岡の戦いで焼失した。その後、京都市伏見区の墨染が荒廃したため、伊丹の可楽井氏が上臈塚砦の跡地に再興した。 荒木村重の菩提所となっています。



墨染寺南西坂下石垣



鵯塚砦(ひよどりづかとりで)
有岡城の南の構えとして築かれ有馬道に通じる重要な砦でした。村重の家臣であり義弟の野村丹後守が雑賀衆と共に守備していました。上臈塚砦、岸の砦も落ち降伏を申し出ましたが信長は認めず丹後守は自害、砦は落ちした。今はその場所に入れないので外側からしか見られません。




鵯塚砦南方水路


JR東側(東有岡)
湿地帯で攻めにくかったと考えられています。


JR線東側から見た段差





伊丹観光案内所配付資料より


東側は湿地帯、猪名川があり、堀として活用していた。


15時20時終了

参加者の感想
⚪︎土地の段差を実感しました
⚪︎秋晴れのよいお天気で気持ちよかったです(晴れ)🍂
⚪︎11,000歩 みなさま足は大丈夫でしょうか
⚪︎ いやあ猪名野神社⛩のお祭りで賑わっていましたね〜
⚪︎ 伊丹の町の中で、普段は、じっくり見る余裕のない部分を見られて良かったです。惣構の外周の段差・石垣・水路が印象に残りました。個人的には、北ノ口の高台の公園からの眺めが気に入りました。
結構、長い距離を歩きましたが、参加者の皆様全員が最後まで歩くことが出来、ホッとしました。

散策中の動画
荒木村重研究会では、今回の散策の模様を記録した動画を会員間で共有しています。訪れる先々での会員さんの解説、コメントや質疑など、和気あいあいとした雰囲気の中、楽しみながら村重、伊丹の歴史に関して学んでいます。


参考資料
有岡城跡・伊丹郷町マップ(伊丹市教育委員会)






有岡城惣構から通じる街道等