○書評 23冊目 忍びの国
○和田竜
○新潮社
○歴史もの


和田竜さんの、「村上海賊の娘」が秀逸だったので、「忍びの国」も読んでみる。


○あらすじ


時は戦国。主人公は伊賀の忍びの無門。無門は、怠け者だが、忍びの腕は伊賀一である。その腕を、一緒に暮らす、お国は知らない。伊賀の地侍は、お互いに仲が悪いが、伊賀を侵略する者には、団結してこれを守るという掟があった。織田信雄軍が、伊賀を攻めてくる。無門は最初は京に逃げようとしたが、伊賀に加勢することになる。無門の活躍で、伊賀勢は優勢となる。史実をもとにした物語。


書評 : 85点です。


忍びの下人であるため、身分は低いが腕は一流の無門の活躍に、心踊らされた。頼りない男とお国に思われながらも、窮地でお国を救う無門の姿は、かっこよかった。織田軍相手に、一歩も引かずに戦い抜く無門は、スカっとした。


○こんな人におすすめ

⚫︎史実「天正伊賀の乱」で、伊賀勢が結束して、天下の織田軍に立ち向かう物語を、読みたい人。

⚫︎信長をもってして、家臣にしたいと思わせた天下の忍びの物語に、興味がある人。


○本音

⚫︎史実に基づいているため、興味深かった。

⚫︎著者、和田竜さんの「村上海賊の娘」には、叶わなかった。


○文章の相性 ☆☆☆☆


○シナリオ、脚本メモ


主人公の無門は、忍びの腕は一流だが、お国に「年ごとに四十貫文稼ぐようになるまでは、夫婦の契りを結びませぬ」と釘を刺される。主人公の弱みが露呈し、共感を呼ぶ。
物語の後半、予期せぬ不幸が用意され、ここでも共感を呼ぶ。
はずれ者、権威をあざ笑う主人公は、憧れを生み、また子供に優しい振る舞いは、共感を覚える。