さて始まりました荒川君の商業印刷講座①。

 

第一回の内容は「突き合わせ校正」。

よくお客さんが間違えて「付け合わせ校正」と呼んだりしますが、ご飯のお供にはなりません。

※ここまでテンプレ。

 

商業印刷では多くの場合原稿があります。この原稿どおり情報が入っているかチェックするわけですが、作業自体は簡単に説明できます。

 

まずは原稿の1文字目を見て校正紙の1文字目を消します。

次に原稿の2文字目を見て校正紙の2文字目を消します。

これを繰り返すと、時間はかかりますが、素人でも突き合わせ校正ができます。

 

例)

原稿 )アクエリアス 500mL

校正紙)アクエリアス 500mL

原稿 )クエリアス 500mL

校正紙)アクエリアス 500mL

原稿の1文字目を見て

原稿 )クエリアス 500mL

校正紙)クエリアス 500mL

校正紙の1文字目塗る

原稿 )アクエリアス 500mL

校正紙)クエリアス 500mL

原稿の2文字目を見て

原稿 )アクエリアス 500mL

校正紙)アクエリアス 500mL

校正紙の2文字目を塗る

 

慣れてくると、原稿の「アクエリアス」という単語で見て校正紙の「アクエリアス」をチェックするようになりますが、①「アクエリスア」や②「アク工リアス」を見落とすので、こんな簡単な作業にも神経を使います。

この突き合わせ校正、作業現場によっては一文字消しが必須というところもあるので、入門の作業方法といえど、確実に間違いを見つける方法といえます。

価格や電話番号を校正するときは、基本的には一文字ずつチェックしてるかなぁ。媒体にもよるけど。

あとは、かたまりでチェックしたあとに「ん!?」と思うときがあるので、その場合は一文字チェックで見直しています。

 

原稿 アクエリアス

■■①アクエリスア ※入力をミスって「ア」と「ス」がテレコになっている。

■■②アクリアス ※カタカナのエの代わりに工業の工が入っている。OCRで読み込むと起こる可能性があり(?)

 

文字の間違いは当然ですが、注意したいのはそれ以外(?)の箇所。例えば文字と文字の間に空白(スペース)があったりすると、「半角スペース」なのか「全角スペース」なのかも原稿と合わせなければいけない現場もあり、文字と文字の間隔が開いているからいいやで突き合わせ校正をすると、事故につながる場合もあります。

 

さらに例を挙げると、重さの単位のグラム。文字のフォントによって下のように形が分かれますが、

この違いを指摘しなければいけない現場もあるので、「できてるつもり」で突き合わせ校正をすると失職します。

 

隆 と 隆

8 と B

や と か

とか、失職チャンスはどこにでも転がっています。手書き原稿とかやめろよな!