校正なんて保守みたいなもんなんで、いい加減なことされたら仕事増えるし、責任の無い情報には頼れない。
ここ2、3カ月校正をしてきて頭にきたことを書く。
皆さんはこのマークを見たことがあるだろう。
酒の飲めない年齢の人に注意を促すロゴで、ビール酒造組合が作ったものだ。
実はこのロゴ、古い。
現状は以下のロゴが使われている。
※色は、白地のを見つけられなかったので黄色地ですが、このロゴの場合、色の違いは問題ありません。
2022年4月に未成年法が改正されるのを受けて、2018年にロゴも変わった。
このロゴが結構いたるところで出てくるし、間違って昔のロゴを使っていることも多いので、商業印刷校正者としては要チェック対象だ。
酒に関係ない分野のお客さんが、間違ってこのロゴを使っているのは、まぁしょうがない。
けどアナタのところ間違ってたら駄目でしょ。
こういうのを見ると、個人的にはここに記載がある情報は全て信用ランクが1落ちる。
なぜなら、自分の専門分野の内容を管理できていないところに、責任を持てる情報があるとは思えないからだ。
表記について出した疑問に対し、ライターさんから「ウイスキー検定協会」に記載があります。とレスが付いていたけれど、このロゴを見た瞬間に、どうしようかと思ったね。
校正者としてのこの気持ち、説明しても伝わらないと思ったので、お茶を濁して終わらせたけど。
こういうの多い。
しょっちゅう出てきて、指摘するのも疲れてきたんだけれど、「総額表記の義務化」とかも対応できていないところが多い。
これはしょうがないかなぁとは思う。かなぁ。一度展開したコンテンツの更新なんて、手が回らないだろうし。
そのための猶予期間は設けられていたけれど。
さらに、クライアントのサイト表記が、景表法違反しているときはどうしようかと思った。
サービス提供している金額が、「1,000円~」って書いてあるんだけど、実際はそれに手数料が乗っかるらしくて、絶対に「1,000円」にはならないという「優良誤認」の景表法違反だ。
ライターがその値段をそのまま引用してきたので、「お客様サイトは景表法違反なので、こちらの記事は『※プラス手数料がかかります。』などの注釈を入れましょう」と提案しておいた。
あぁ、話のオチか。
この前見つけた病院の看板で、対応できる診察案内に「男性泌尿器科」「女性泌尿器科(女性医師が対応)」と書いてあった。
やや、これは男女差別か!と思った矢先、人によってはご褒美にもなるのかもしれない。と思い浮かび、(勝手に)(本当に勝手に)世の中って広いなぁと思った。
男性や女性がこれを「男女差別」と受け取るか、紳士がこれを「優良誤認」の可能性があると受け取るかは人それぞれだ。