緊急対策本 | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

ガースー支持率が、39%に急落。不支持率35%。

 

日本医師会、日本看護協会、日本病院会など医療9団体が揃って合同記者会見で、医療緊急事態宣言。

 

 

年末年始に発熱しても、私たちはどこで看てもらえるのか、不安だ。

もし、陽性になっても、病院には入れてもらえず、自宅療養か?

 

それでも、ガースー政権は、危機感がない。

「3週間の勝負」で完敗してコロナが急拡大し、イギリスでは、異変種のウイルスの感染が認められて、渡航禁止。

そんな日に、「ウイルスに打ち勝った証として、来夏に東京五輪を開催する」発言。

GoToに追加1兆円。 マイナンバー普及に1300億円…。

コロナなんて、ガースーのアタマのなかでは「なかったこと」になってるのか? 脳が総合的俯瞰的なつくりになってるのね。 国民のひとりひとりは、数としても把握できない。 蟻んこみたいなもの。

過去もなかったことにしたいらしい。

国会で118回(捜査情報と異なる答弁)も偽証した前首相の説明も、

「(偽証罪に問われる)証人喚問はなじめない。議院運営委員会の理事会でやろう」(森山国体委員長)。 予算委員会でうそをつき続けたのだから、予算委員会で説明すべきだろう。

世論調査でも、「国会がみられる公開の場でやるべきだ」が70%。

 

もう、政治不信の極み。 

年忘れ、新年はポストコロナで頭を切り替えてというのに抵抗しよう。

年末、年始は行動制限するけど、アタマはどっぷりウイズコロナ。 総合的俯瞰的に、頭のなかを整理してみよう。

そこで、私が最近読んだ本の中から、短時間で読めるのを、厳選して2冊。

           ナショナルジオグラフィック11月号。

まるごと一冊、新型コロナウイルス特別号。

私は定期購読なので、毎月、新コロナウイルスの記事や写真はあったのだが、この号は、とっておきの一冊。

緊急取材・写真家たちが記録したコロナ禍に苦しむ世界の人々

科学の挑戦・新型ウイルスから人類を守ろうと奮闘する科学者たち

地球環境・ 未曽有の危機が傷ついた地球を救うチャンスになるか

人間社会・パンデミックと社会不安が私たちの生き方を試している

 

日本以外の国のウイズコロナの日常、 感染のデータ、ワクチン、アフターコロナへの展望、 若者とのやり取り…。

グラフィック誌なので、写真のすばらしさは言うまでもない。

エッセイの文章もすばらしい。

ナショジオを毎月読んでいれば、視野が広がる。 年間購読おススメです。 12月号にはカレンダーが付録でついています。

 

 

2冊めは、書下ろしの新書。

著者の保坂正康さんは、現代史の研究者であり、ノンフィクション作家。

このコロナ禍は、時代の大きな転換期であることは間違いない。

感染者情報に振り回されているのは、もうそろそろ終わりにして、明治時代以降の歴史を身に引き付けて捉えることが必要なのではないか?

著者は、最初に、歴史の見方として、皇国史観唯物史観について言及している。

戦前の歴史観は、「大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ我が万古不易の国体である」という国体の歴史観。 それに反対するものは反国家的とされた。 今から考えると信じられないけど、国会議員のなかにもそんな歴史観は生きている。

 

それに対し、戦後は、マルクス主義的な唯物史観。 人類史は、原始社会から、奴隷制、そして封建制を経て、資本制に至り、将来的には共産制が実現するという歴史観。 私が小中学校のときは、そんな社会の先生はいっぱいいた。  

どちらも論理や法則が初めにあって、それに合わせて史実を拾い上げていく演繹的な歴史観で、著者は、「実証主義」的な歴史検証を行なうという、帰納的なスタンスで一貫して、近現代史を検証してきた。

私は、歴史は、事実を掘り下げて、それをエビデンスとすべきだと思う。

自分の論理に都合のいい史実だけをとりあげて、作ったストーリーは「歴史」と言ってほしくない。 

 

明治時代から現代まで7つの視点で歴史を捉える。 

コロナが予想を上回る勢いで、政治が機能不全になってる現在、過去に全体主義国家になり、軍事を中心にしたファシズム体制のどこが間違って戦争に至ったのか? この近現代史の歴史からどんな警告を読み取り教訓としていくべきか?  

 

それは、本来政治に必要なことかもしれないが、アベーガースーに求めても無理。 自分で考えてみよう。

 

その点で、この二冊の本は、手っ取り早く読めて、ほんとに役に立つ。 私たちへの緊急対策本ですぞ。