大阪のことが好きか? | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

「都構想」という、大阪市廃市の是非を問う住民投票が実施され、廃止案は否決された。 2015年、2020年の2回とも、大阪市民はNO!という判断をしたことになります。

私は、やっぱ大阪の人たちは、自分のアタマでちゃんと考える人たちだったと、とてもうれしい。

 

なんか、報道では、賛成は維新と公明、反対は自民党、共産党、立憲民主党…なんて、政党別に出口操作や分析をしてるけど、選挙じゃないよ。

公明党は、前回で反対、維新とさんざんののしり合いしたのを、今回いきなり賛成と言われても、創価学会員は動かなかった。半数が反対。

今回の公明の寝返りは、住民投票には賛成するから、「次期衆院選で、公明党が出馬する関西6選挙区で維新は候補擁立を見送る」という密約を維新と交わしていたということが、維新側が暴露した。

自民党も大阪府連は維新嫌いで反対したが、維新が好きな人もいて、半分近く賛成した。

もう、組織ではなく、さすが、大阪。 裏の政党間取引ではなく、個人でちゃんと考えて、大阪市の存続を決めたんだね。

大阪市という政令都市の行政権限と市民からの税財源は、守られた。

「万博」やカジノには使われないで、大阪市民の幸せのために使ってほしい。

2013年以後、府や市から、この「都構想」関連に公金100億以上が使われたと、毎日新聞が住民投票前に報道した。 Good Job! 大阪では、まだマスコミが生きている。

 

100億円! 「維新」という党の「都構想」という私的な政治運動に100億円! 私の知り合いのおっちゃんは、「住民投票は維新のおもちゃや」と言ってる。

私は、2012年に橋本徹市長が、年間たった5千万円の文楽協会への助成金をカットしたときのことを決して忘れない。 国立文楽劇場は大阪にしかない。 文楽は大阪のアイデンティティ。宝だ。 世界の宝だ。

橋本氏は当時、「伝統芸能、芸術、学問は自腹で」と語ったという。

野蛮な発言だ。

文楽協会 

https://www.bunraku.or.jp/

 

 

 

住民投票は、そもそも政党がトップダウンで決めてやるもんじゃない。 市民が、政策課題について、「間違ってるんじゃないの」と問題提起し、議会政治が動かない時に、下から「それなら、住民投票でやりましょ」とやるもの。

憲法改正の国民投票だって、自民党という一政党が、改正だ改正だとへんなミスリードして、国民投票に持ち込もうとしている。 世論調査では憲法改正必要だと思っている国民は少ない。

 

「維新」という党は、自公政権の与党ではない。 野党みたいでもない。菅首相も住民投票については、ノーコメントだった。

大阪では、人気があるが、「都構想」という大義をもう捨てるという。

吉村知事も、松井市長(維新代表でもある)も辞めたがっている。

橋本徹氏は「もう政治家はやらない」と言って、

「この10年は病気だった府市に薬を与えてきた。でも、薬が効いてきて病気はなくなってきた。都構想は手術。体を傷つける不安が生じたのは間違いない」と敗因をたとえ話で解説した。

どこまで、上から目線。

橋本はん、あんたはほんまに大阪のことが好きか? 東京なんか「なんぼのもんや」と、思ってるのが大阪の人や。 ひねくれた劣等感で、大阪市なくして、「都」になりたいなんて思ってないで~。

 

大阪は、ほんま住民投票で振り回された。 住民投票で賛成か、反対かで、友だちや家族が分かれて、傷ついている人がいっぱいいる。

また、大阪市民の5%に当たる14万5千人の外国人居住者には、住民投票の投票権がなかった。

人々を分断させる政治というのは、ありえない。 人々が仲良く、幸せに暮らしていけるようにするのが政治だろう。

 

大阪の人は、「えらい目にあいましたなぁ」と言って、少しでも早く、「維新」に迷惑をこうむったことを忘れて、おいしいもんでも食べて、元気に助け合って、ど根性だして生きてほしい。 

 

今、大阪にいます。

今日は、「文化の日」です。

伝統芸能、芸術、学問に思いをはせる日です。