父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」 -7ページ目

父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」

還暦を期に、団塊の世代を生きてきた前半生を反面教師として、若い君に伝えておきたい。これを老人の繰り言と取るもよし、教訓と取るもよし。私の願いはただ一つ、君の人生は君自身が決めて自由闊達に楽しく人生を謳歌して欲しいことだけ。

恋愛とセックス

振り返れば、初恋はほろにがく、真実の恋は成就されないものだ。


君の成長と共に、いつしか異性を見るとたまらなく切なくなるときが来る。

そしてあの異性に会いたくて会いたくて何ものを捨てても会いたいという  気    持ちが突き上げてくる。これが恋。二人はどうしても結ばれたいと思う。



ここは落ち着いて考えて見よう。

その人のことをどれ位知っているのか、知ろうとどれ位精魂傾けたか。

そしてその人に対して全てを赦すことができると思えるか。

これがイエスと答えられても、それは異性に対する性衝動の対象としか見ていないのではないか。

愛していると言っても本物の愛は惜しみなく奪うことを知っていてそれに耐え   られるか。


与謝野晶子という町屋の娘が鉄幹という妻子ある長身の美男子に惚れ、その妻   を別れさせてとうとう結婚にこぎつけた。その根性は大正期の女性の激情の共   感を呼んで時代の寵児となったが。


愛すればこそ、その対象となる大切な異性を傷つけてはならない。


それを強行してしまうことは君が全責任を負える状況を納得していることであ   って、その理解がない場合は君の信義に悖る行為だ、といってもその局面での   理性的行動を期待するほうがムリというもの。


であるならば、光源氏のように下半身に人格はないが、君が紳士としてせめて避妊の準備くらいはしておけ。

 
 愛のないセックスはオナニーに劣る。


性衝動



中学生になると自然に性衝動の突き上げが始まるだろう。いやもっと早いかもしれないな。それは極めて自然な本能的なものだから、恥ずることはない。

感じたらさっさとオナニーして出してしまえばよい。

しかしこのエネルギーは100M走に匹敵するほど相当なものだからいつも       オナニーで浪費するにはもったいない。

そこでこのエネルギーを必要とするスポーツで昇華することが最も健全だ。

そのように昇華できればチャンプになれるかもしれない。

それでも妄動がきたらオナニーで済ますこともいい。

包茎手術はできるだけ早く受けて「ちんは清潔なり」としておけ。

芸は身を助く

仕事を離れて趣味の世界は多才なほど楽しい。君には4歳からピアノ、水泳、絵画を習わせたが、色々なことにチャレンジして自分の好きなことにのめり込めば良い。趣味として屋外4つ、室内3つ以上が欲しい。また屋外も自然を相手にするものがいい。

「好きこそものの上手なれ」で、のめり込めるものがあれば天職になるかもしれない。

たとえそれが仕事にならなくても、いちどのめり込んだことがあれば、少なくとも素人の域をこえているはず。いずれ役に立つことがきっとある。

だから芸事や習い事はそのときに精神を集中して真剣に取りかかることが大切に思う。