父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」 -5ページ目

父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」

還暦を期に、団塊の世代を生きてきた前半生を反面教師として、若い君に伝えておきたい。これを老人の繰り言と取るもよし、教訓と取るもよし。私の願いはただ一つ、君の人生は君自身が決めて自由闊達に楽しく人生を謳歌して欲しいことだけ。

プロゴルファー石川遼君を知っているかい?


高校在学中にプロのトーナメントマンシングカップで優勝し、プロ宣言した若き天才ゴルファーだね。

彼のプレー振りからは自分の若い頃と照らし合わせて、あんな風に振る舞えていたらなあーと思ってしまう。

考えてみると誰もが彼のように振る舞えるはずなのに自ら制約条件を作ってしまっているのかも知れない。


君も是非彼の言動に注視して学ぶべきところはしっかりと学び、考えるがいい。



彼からの教訓として


好きなことに夢中になって、全てを注ぎ込むことに躊躇がないこと

→人生の早い段階で「自分の可能性を好きなゴルフを通じて全うしようと決めたこと」が並みの人ではないことを示している。そして自分の夢の実現が人々に大いなる希望をもたらすことも知っている。


②とはいえ、高校生の自分を考えて常に謙虚であり、学習し続けていること

→インタビュー時の応対はとても高校生とは思えないしっかりとした考えを持っており、大人の対応ができている。


③特にゴルファーである前に社会人としての素養も学習していること

→自分がトッププロになれても有頂天になることなく、震災を受けた人々へ優勝賞金を全額寄付するという宣言をするなど、他のプロが見習うべき行動をしている。このことは自己中心になることなく、他人への配慮もできる人格を備えていることを示すものと思う。


④謙虚であるがゆえ、優秀な指導者に恵まれていることを彷彿とさせること

→勿論最大の指導者である父上・母上の存在が大きいのだろうが、先輩ゴルファーからも可愛がられていることを感じさせられる。現在のプレーぶりはドライバーブンブン丸だけれど、もっと上手くなりたいとの思いから常に変化して成長している。


彼の溌剌とした若さは見る人々をたじろがせ、いきなりファンにしてしまう。

遼くん、マスターズ優勝をまっているよ!

評価されるということ


私たちはひとりでは生きられない。第三者との関係の中に、すなわち己と己を取り巻く社会との関係の中に生きている。

社会的生活を営んでいく上で必要なのは、自分の価値に対する第三者からの評価だ。


自給自足生活を送ることでなければ、第三者からの評価が、得られる「経済的価値=お金」の額や名声の大きさを決める。(まあ、最近ではマネーゲームのような実体のない経済活動から財を成すひともいるが、その人もまた次に欲しがるのは人からの名声ということが多い)


だから人々は、第三者からのより高い評価を得たくてウズウズしているとみてよい。

ひとからの評判が気になり、ひとから歯の浮くようなお世辞を言われてもうれしいと感じる所以である。


しかし、これにあまりに執着しすぎると己を失い、はだかの王様となる。

判断の軸の定まらない、信念のない、また他人に影響されやすいひとになってしまう。


他人からの評価を恐れず、自らの信念に従って行動できる人は本当に強い。


自らの信念が「如何にひと様のお役に立つかどうか」を行動の軸足とすべきだ。