父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」 -11ページ目

父からの手紙「前半生の失敗経験から若き君に伝えておきたいこと」

還暦を期に、団塊の世代を生きてきた前半生を反面教師として、若い君に伝えておきたい。これを老人の繰り言と取るもよし、教訓と取るもよし。私の願いはただ一つ、君の人生は君自身が決めて自由闊達に楽しく人生を謳歌して欲しいことだけ。

理想の組織リーダー


(1)強固な意志力で信念を持ってものごとを決断・遂行し、困難に遭っても逃げずに自分が主人公であることを認識して結果責任を負う勇気ある人

(2)自分に厳しくて強い自制心を持ちながら、一方では部下を理解し、その能力を引き上げられる公正・公明で明るく正義感の強い人

(3)幅広い人的情報ネットワークを持ち、高度な戦略に基づいた計画を、目的を共有しているフォロワーの苦労を思いやりながら、着々と推進できる人

このようなリーダーに出会えたらフォロワーとして最高に幸せだろうし、またそうなろうと思うようになるに違いない。共に苦労を分かち合うからこそ、楽しみも倍加し、人との絆はさらに強くなることだろう。


親友

一日にひとりの友を作っていくと死ぬまでには2万人の知り合いができる計算だ。

だけれど本当に友と呼べるひとは何人いるだろうか。困ったときにお互いに助け合える友の数が重要で、知り合いが多いとか少ないとかはあまり意味のないことだ。

本当に信頼しあえる友を作るには、自らが普段から交流を絶やすことなく、その関係を維持し続けることが重要だ。

その関係性に儀礼とかまやかしは存在しない。うわべを繕うことなく、自分の軸に照らして本音で語り合うことだ。

自分の軸がなければ語れないのだから、友人関係の構築ひとつとっても、常に自分を磨きあげて軸を持っていなければ真の友人ができないということになる。

ちなみに正岡子規と夏目漱石は同じ東大で友達だった。

漱石が時の政府からヨーロッパへ留学させてもらったとき、病床にある子規を慰めんと子規宛に手紙を書いたが、それを子規が漱石のヨーロッパ紀行として文壇へ紹介、連載したがため、図らずも漱石は文壇デビューできたという。  友とはそういうものだろう。




天職につく

仕事とはしなければならないことで、遊びとはしなくても困らないことをいう。

ひとは天職につくことが理想だが、天職を見つけることは難しく「青い鳥」をいつまでも追い続けるようなことをしでかす。

「自分が寝食を忘れるほど没頭でき、続ければ世間の人さまの役に立ち、経済的に有意である」なら天職といえるだろう。

ひとつのことを徹底的に掘り下げ、追求して精通すれば、進んできた道の違うどなたとでも相通ずることができてくることはたびたび目の当たりにしたことだ。