先日の「廣瀬長江画伯からの手紙」の読み下しの続きです。
然しのん気は中々
失せ申さず 一昨夜は
人より文藝協会の
切符を貰ひ候まゝ
一見いたし候 故郷
と申す西洋物にて
中々に見應へ有之
土肥東儀氏等先
頃桐一葉を見し時
とはまるで別のものにて
殊に松井某と云ふ
女優の巧妙には尠
からず驚き申候
然しのん気は中々失せ申さず
一昨夜は人より文藝協会の切符を貰ひ候まゝ一見いたし候
故郷と申す西洋物にて中々に見應へ有之
土肥東儀氏等先頃桐一葉を見し時とはまるで別のものにて
殊に松井某と云ふ女優の巧妙には尠からず驚き申候
「しかしながら、のん気にしている時間はなかなかなく、一昨夜は文藝協会の切符をもらって拝見してきました。
「故郷」という「坪内逍遥主宰文芸協会」の西洋舞台の演劇で、なかなか見応えがありました。」と伝えています。
「土肥春曙(日本の新派俳優)や東儀鉄笛(能楽家・俳優)などは、先ごろ桐一葉(坪内逍遥作の歌舞伎の演目)を見た時とはまるで別物で、特に松井須磨子(新劇女優)という女優の巧妙さには少なからず驚きました。」と演劇を見に行った内容などを伝えています。
明治45年当時、坪内逍遥などを中心に結成された文化団体で、新劇運動の母体となった「文藝協会」の演劇の話など、当時の様子が伺える内容です。
最後の部分はまた後日。
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