今日の修善寺温泉は曇り。

 

気温はやはり低くなり、寒い一日です。

 

 

今日は一昨日の「安田靫彦画伯からの手紙」の読み下しをしていきます。

 

         

 

まずは最初の部分。

 

 

まずは頭語

 

   拝啓

  

      

  この程は     折角御立寄     ヒ下候處

 

    

 人などまへり   失礼いたし候

 

  

   其後

 

  

   天候      よろしからず

  

   

候為に御障りも無之候や

 

    

  御令閏様     御見えと

 

     

    弊          妻も      たのしみ居候

 

    

   此次       御上京の折は

  

  

   是非     御こしの程待上候

  

  

昨日井徳君見え

  

    

  例の灯         籠

 

      

京都より発送致     したりとて

 

    

 送状持参仕       候 

   

    

荷造費何分かさみ御願

   

      

の事何分願ふと申して

 

  

   致          方無之

   

      

  甚御迷惑        何         卒願上候

 

 

拝啓

この程は 折角御立寄被下候處人などまへり失礼いたし候

其後天候よろしからず候為に御障りも無之候や

御令閏様御見えと弊妻もたのしみ居候

此次 御上京の折は是非御こしの程待上候

昨日井徳君見え例の灯籠京都より発送致したりとて送状持参仕候

荷造費何分かさみ 御願の事何分願ふと申して 致方無之

甚御迷惑何卒願上候

 

このたびは折角お越しいただいたのにもかかわらず、客人などがいたため失礼いたしました。

其の後は天候もあまりよくありませんでしたが、おさわりもなく過ごされていたことかと思います。

奥様がお見えになると妻も楽しみにしていましたが、この次上京される際はまた是非お寄りください。

昨日井徳君が来て、「例の灯籠を京都から発送した」と送り状を持って来ました。

送料がかなりかさんでしまいましたので、その分もまたお願いしたいと言っておりました。

致し方なく、甚だご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

 

とそんな手紙のくだりです。

 

相原寛太郎夫妻が上京途中、大磯の安田宅へ立ち寄ったが、

 

ちょうど来客中であまり話もできなかったのでしょう。

 

安田画伯の奥様いとさんもお会いしたかったようです。

 

相原寛太郎夫妻の仲人で結婚した安田夫妻は新婚2年目でした。

 

「昨日井徳君が来て、例の灯籠を京都から発送」とありますが、

 

この灯籠は、玄関に置かれているこの灯籠の事と思われます。

  

 

大正8年「月の棟」が完成し、今までの本館だった青州楼から「月の棟」に本館が変わります。

 

その際、「青州楼」の前にこの灯籠が置かれました。

 

「東大寺 三月堂(法華堂)」の前に置かれている石灯籠と同型のものです。

 

安田靫彦画伯からの手紙には、当時関係のあった方々とのエピソードや、

 

新井旅館の建物の歴史に関するものなど、いろいろな発見が詰まっています。

 

 

 

 

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