本日4月29日は、
安田靫彦画伯の命日です。
1884年2月16日生まれの安田画伯は、若くして肺を患ったため、
長期の旅行などには参加しなかったり、健康には非常に気を遣われていたようです。
そのお陰か、昭和53年4月29日、94歳という天寿を全うしたお年でした。
大正4年(1915)に、横山大観・小杉未醍・今村紫紅・下村観山の4人が
東海道を汽車を使わず道中の風景画を描く旅行をしたとき、
見送りをしながら、「健康な人はいいなあ~」と思ったそうですが、
「弱い私が最後まで残った」とも語っています。
新井旅館の建物は、
天平大浴堂や観音堂を始め、安田画伯の設計や考証されたものが数多く残っています。
新井旅館を語るには、安田靫彦画伯なしでは語れません。
安田画伯から頂いた手紙なども何百通と残っていますが、
その中で今日はこちらをご覧下さい。
大正9年(90年前)に、
相原沐芳(新井旅館三代目)に送られた手紙です。
「拝啓 先日は拝趨(赴)失禮(礼)仕候(つかまつりそうろう)
いつもながら御手厚きおもてなしに預かり 難有御礼申上候~」
良寛の書を研究されていたことから、字体は非常になめらかな良寛調の字
「始めての 蕨狩快心わすれがたく候 皆々様と山に過ごし候
ことあれだけの時間 ともおぼえずわらひ おるこころ木の芽の匂ひ
又富士の姿天城山頂の いろ鶯の聲心ゆく 山気を吸ひて五官
ことごとく山霊の恵 みに浴し候 ~ 」
始めて蕨狩りを体験し、あっという間に経ってしまった時間、
木の芽の匂いや富士の姿、ウグイスの声、修善寺の空気を五官で感じた。
という修善寺の思い出や、「花の棟」完成のお祝いなどが書かれています。
修善寺の思い出を語られた、すばらしい字体の手紙ということで、
早くから表装にして飾っていたようです。
日付は4月29日に書かれた手紙です。
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