皆様おはようございます。
久しぶりに登場の新人です。
先週末は河津桜が満開との報道もあり、朝から伊豆は大渋滞。温かくなったので、
このまま春を迎えるかな???
そんな淡い思いも今朝の寒さで崩れてしまいました。
さて、ご宿泊頂いたお客様からいただくアンケート用紙を見ていたときのことです。
ご来館のきっかけが、映画「あ・うん」を観て、というお客様がいらっしゃいました。
あ・うんは1989年、向田邦子さん原作の作品を降旗監督が手掛け、主演が高倉健さんで、
舞台は太平洋戦争迫る昭和10年代を舞台にした作品です。
このアンケートを見た新人、あ・うん自体いつ撮影したのかまったく知らなかったので、
お客様、何か勘違いしたのかなぁ?なんて思っておりました。
ところがです!
昨日帰宅し、寝る前にBSを見ていた時のことです。
昭和前半を舞台にした邦画がやってるなぁという程度で観ておりました。
しばらくすると、どっかで見た覚えのある風景が出て参りました。
坂道が左に曲がり、道の左側には古い旅館、右側に長い壁、その中に大きな建物。
あれ?なんだこれ?新井旅館だ!
でも、同じようなつくりで違うかもしれない。
そんな感じでしばらく見ていたのですが、場面が変わり玄関前。
月の棟、青州楼が映り、さらに明月荘あらゐの看板・・・・。
やっぱり新井旅館だ!
その瞬間、アンケートに書いてくださったお客様に心の中でお詫びです。
その後出てきたお部屋、川に面している部屋だったのですが、果たしてどこだろうということで、
この位置で木が見えてカメラがこの位置で入れて、床の間がここで、
なんて館内の客室を頭の中に思い浮かべながら予想。
きっと霞の棟7番だ!
他にも渡りの橋、花の池、花の棟、そして自慢の天平大浴堂も登場。
普段は興味もない映画に釘付けになったことは言うまでもありません。
今朝出勤して古くからいる従業員さんに確認。
霞の7番で正解!
昔の映画なだけに、出演していた坂東英二さんも凄く若く、
主演の高倉健さんも本人だと気づくまで時間がかかりました(^_^;
お客様が残してくれた「あ・うん」の文字。
私にとっては凄く大きな出来事になりました。
ちなみに、霞の棟は明治41年、三代目館主の沐芳が赤松を使用して建てたものです。
現在、客室として使用している建物の中では一番歴史のある客室棟です。
川に面しており、完成してから昭和初期まで非常に人気が高かったそうです。
昔のつくりを可能な限り現存させたい。そこで、この建物は変わった特徴を持っております。
全室トイレがありません。また障子の向こうは外、なんて当時の作りも残されております。
霞の中でも特に人気のある部屋は7番。そうです、あ・うん撮影のお部屋です。
日本画の巨匠・横山大観画伯ご愛用のお部屋であり、初代中村吉右衛門丈もご愛用だった
お部屋でもあります。
快適装備、ということでエアコンは設置されておりますが、大きな改造は行っていない当時の
雰囲気を残した霞の棟、是非ご堪能いただければと思います。
川に面し、非常に素晴しい眺め、これからの時季はシーズンがぴったり合いますと桜が
お部屋の中から御覧いただけます。
皆様のお越しをお待ちしております。