万葉集の原文のお話
やまとうた(和歌)の音は、ご存知の通り、
5・7・5・7・7
の文字によって構成されています。これは、『古今和歌集』の「仮名序」という、序文によると、「ちはやぶる神世には、歌の文字も定まらず、すなほにして、言の心わきがたかりけらし。人の世となりて、すさのをの命よりぞ、三十文字あまり一文字はよみける」とあります。
つまり、神々の時代には歌の文字数も決まっておらず、素朴で言葉にしようとは思わなかった。でも、人の時代になって、スサノオノミコトが31文字で歌を詠みました、ということ。
ちなみに、そのスサノオノミコトが詠んだ歌は、
や雲立つ 出雲八重垣 妻ごめに 八重垣作る その八重垣を
という歌で、日本書紀と古事記、両方に載っています。
前置きが長くなりましたが、和歌は、31文字なんです、と。旋頭歌とか、例外もありますが。
で、出てくる代表的な歌が、以下。
春楊葛山発雲立座妹念(巻十一・2453)
あ?なんじゃこりゃ?和歌?本当に万葉集に載ってるの、コレ?
え~!読めない!読めるわけがないだらうが!
でも、たとえ漢字10文字で書かれていたとしても、これは和歌なのだから、何としても31文字のひらがな(音)に読みかえなければならないのです。ちなみにこの歌は、
はるやなぎ かづらぎやまに たつくもの たちてもゐても いもをしそおもふ
と読みます。
万葉集は、実は平安中期には、すでに読めなくなっていたと思われます。理由は、上の「え~!読めない!読めるわけないだらろうが!」と、それと同じ感覚だったと思います。
じゃあ、平安中期にすでに読めなかったものが何で今は読めるわけ?ということですが、万葉集成立からおよそ200年後の天暦五年(951)、村上天皇が「梨壷の五人」とよばれる文学研究集団に、万葉集を解読して訓点をつけさせる作業を行ったそうです。そのときの読み方を「古点(こてん)」といいます。だから、今、私たちは奈良時代に記された万葉集を読めるのです。ありがたや。
また、鎌倉時代になってから学僧・仙覚(せんがく)がさらに解読作業を進め、ここでさらに読み馴らすことができるようになりました。これを「新点(しんてん)」といいます。この仙覚が完成させた万葉集のガイドブック「萬葉集註釈」は、明治時代まで、万葉集の原文として多くの研究者に利用されました。私(あらい)も読みました。
つまり、万葉集は、漢字表記の源文章っていうものが、あるような、ないような・・・ということなのです。それを31文字に読み起こしたものが、本物の和歌(?)、なわけです。だから、もしかすると梨壷の五人も仙覚も、間違って読んでいる歌があるかもしれません。また、過去の叡智を結集したにもかかわらず、いまだに解読できていない、読めない歌もあります。
莫囂円隣大相七兄爪謁気 我が背子がい立たせりけむ厳樫が本(巻一・9)
かの有名な額田王が詠んだ歌が、しかも、万葉集で9番目に出てくる歌が読めないのです。特に「莫囂円隣大相七兄爪謁気」の部分。これ、読めたら、世の中、すんごいことになります。
また、コピー機などありませんから、実は、底本によっては、表記が違ったりするわけです。
あと、万葉仮名は、単に音をあてただけのものですから、源文章の漢字自体に意味はありません。
「愛羅舞憂、夜露死苦!」
とかと、同じです。ちなみにこういうの、「ヤンキー万葉仮名」というらしいです。
ただし、「賢良(さかしら)」とか、そういう特殊なものになると、比較文学的要素を含んで漢字自体に意味がある場合もあります。
あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ人をよく見れば 猿にかも似る(巻三・344)
痛醜 賢良乎為跡 酒不飲 人乎熟見者 猿二鴨似
この場合の「賢良」とは、中国の漢の武帝が出した「賢良詔」に見える「賢良方正の士」を挙げさせる制度、つまり、後の科挙の合格者のような、「頭がいいけど、出世ばっか考えてる、鼻持ちならん輩」という意味も含んで、役人を揶揄する意味もあるようです。
ハイハイ、酒も飲まないでごくろうさん!ああ、賢い!おサルみたいだね~!ウッキィ~!・・・と。
いやはや、奥深い。
長くなりすぎで、本当にすみません・・・。
エクスペリアブログ閉鎖へ
http://www.xperiablog.net/
(英語)
が閉鎖されることになった。
今月19日のブログ記事によると、ソニーエリクソンが「xperia」の文字を冠したドメインの使用に難色を示し、それには「Xperia10.net」も含まれるのだとか。
そして閉鎖を伝えるこの記事が最後のブログ投稿となることも記されている。
ブログ記事の題名は「Sony Ericsson forces us to close XperiaBlog.net(=「ソニーエリクソンが私らにエクスペリアブログを閉じるようせまってきた」)」。
エクスペリアブログは、全世界のエクスペリアの発表された仕様や発売情報を速報するサイトで、「イギリスでこの機種が試験的に出ます」「日本でこれが発売になります」「新しいエクスペリアが発表されました」「今度のはこんな機能ついてます」などなど、非常に有益な情報を提供してくれていた。
これに対して、ユーザーからのコメントは、「悲しい」「ギャラクシーネクサスに機種変更しちまうぞ」「ほかのドメイン使えないの?」などの声。
私自身もXperiaRayに機種変更するのに、非常に参考としていたサイトなので残念というか、ソニエリも完全にソニー傘下になるので(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1110/27/news059.html)、いろいろな事情があるのかなぁ・・・などと大人の事情を勝手に察してみたり。
まあ、仕方あるまい。
お世話になりました。
