描出話法の練習PART2 | 新井学院(橋本)~時に先生と生徒の邂逅も人生の転換点になりうる~

新井学院(橋本)~時に先生と生徒の邂逅も人生の転換点になりうる~

新井学院埼玉県さいたま市/北浦和)の橋本(英語&日本史講師)によるブログです。
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高1英語クラスのテキストより一部抜粋

 

①Susan became blind due to a traffic accident.

②Finally, she felt ready to return to her job, but how would she get there?

③She used to take a bus, but now she was so frightened that she couldn't go around the city by herself.

(後略)

 

これらを直訳してみます。

①スーザンは交通事故のせいで盲目になってしまいました。

②とうとう彼女は仕事に復帰する覚悟ができましたが,どのようにして彼女は通勤するというのでしょう。

③かつて彼女はバスで通勤していましたが,今はとても恐くて一人で市内を動き回ることができないのです。

 

これはこれで平均的な和訳として通用するでしょう。

ただし引っ掛かる点が一箇所あります。

それは②のwouldです。

なぜcouldではなくwouldなのか,もし彼女(スーザン)を客体として見ているのならばcouldの方がふさわしく思えます。

するとこのwouldは読者に対する推量を求めているのか,はたまた彼女自身の意志を表すものと解釈できます。

しかし続く③の文から,まだ彼女は職場に戻るどころか一人でバスに乗ることさえ覚束ない状況であることがわかります。

つまりwouldを意志未来と捉えるのはやや無理がありそうです。

従って②のwouldは推量であるとひとまず結着しておきます。

 

ところが描出話法という英文では頻出する文法を適用すると,このwouldもあっさりと切り抜けられます。

②を描出話法として捉えるのであれば,それを間接話法に書き換えると,

Finally, she felt ready to return to her job, but she wondered how she would get there?

となります。

すると和訳は,

②とうとう彼女は仕事に復帰する覚悟ができましたが,どうやって職場に行こうかと悩んでしまいました。

となり,次の③の文とも整合性が取れるのです。