感謝 | 1/100000の戦い

1/100000の戦い

10万人に一人と言われる進行性のガン「悪性黒色腫」 ある日突然「残念な結果ですが、あなたはガンです」と告知を受けました。 なぜ自分が? さまざまな葛藤がありましたがなってしまったものは仕方ない… さぁこれからどう戦っていくか… ガンのこと 水泳のこと

先日 世田谷でレッスンをしました。



世田谷でのレッスンは 2年ぶり!? 



本当に久しぶりのレッスンでした。



------------------------------------------



水曜日は 世田谷区水泳協会の教室がギッシリ。



世田谷の大勢の先生方に お声をかけていただきました。



「あら~! だいじょうぶなの?? 心配してたのよ~」



「はい。 大丈夫です。」



「体調はいいの?」



「はい。 体調は不安定なので 良かったり悪かったりの繰り返しなんですが 今日はとってもいいです。」



会う人 会う人に 心配していただき 人ってありがたいなぁ・・・と思いました。



------------------------------------------



券売機で入場券を購入しようとすると 見知らぬ男性が 横にきました。



その方は 私の事を知っているようで・・・



「あんた 身障者になったんだろ?」



「そ そうです。 よくご存じで・・・」



「だったらね この身障者の入場券を買いな。 安いから。」



「は はい。 そんな券があったんだ・・・ ありがとうございます。」



-----------------------------------------



ロッカーに入ると 常連のおじさま方が・・・



「お~! 大丈夫か?」



「はい。 だいじょうぶです。」



「まだ若いんだから 無理するなよ。」



「はい。 ありがとうございます。」



-----------------------------------------



プールサイドに出ると・・・



この日に限って 知り合いだらけ。



プールサイドで たくさんの人に ごあいさつ。



みなさん 状況をよくご存じで 説明が省ける。



以前は ごあいさつ程度だった人も 色々とお話をしました。



ひと通り ごあいさつがすんで プールに。



じゃあ 始めましょう!



レッスンをはじめても 色々な方が声をかけてくれました。



「わたし ブログを読んでいます。」



「まあ! プールでお会いできるなんて! お元気そうでよかったです!」



「本当にガンなの? 身体はしっかりしてるわね~」



「こんな年下の私が言うのも何なんですけど もう無理しないでくださいね!」



プールの壁に立つと プールサイドから話しかけてくる方も・・・



「私 毎日ブログを読んでいるから よ~く分かっているのよ。 応援してますから。」



「わたしの事 知らないわよね。 わたし○○の母です。 あなたの事は息子から聞いていました。」



顔見知りの方も そうでない方も なんだか たくさん集まってきて プールサイドに行列が・・・



いつもこんなに知り合いに会わないのに 今日が分かっていたかのように 色々な方にお会いする。



ごあいさつばっかりで 全然レッスンにならない。



それでも これだけの人が心配していてくれたことに感謝です。



----------------------------------------



ようやく レッスンが再開。



すると またまた 声をかけてくるかたが・・・



「あらいさん あなた 大丈夫なの?」



「あ~! ○○さん!」



この方 89歳で 中村敬次郎さんと いつも一緒にいる方。



わたしの手術と同時期に 「敬次郎さんが脳梗塞で倒れた」と聞いていたので その後が気になっていました。



「敬次郎さんもね あなたのこと心配してたわよ。」



「そうなんですか。 その後は いかがなんですか?」



----------------------------------------------



会う人会う人に 心配され あたたかい言葉をかけていただく。



とってもありがたいのですが そのたびに 色々と説明したり 励まされたりすることが ちょっと嫌になってきていました。 



声をかけられることや 人に会うことも嫌になってきていました。



しかし この日 これだけの人に声をかけていただき そんなことは 一気に吹き飛んでしまいました。



人ってすごいなぁ・・・



---------------------------------------------



レッスンが一段落したので プールサイドのシャワーを浴びることに。



シャワーを浴びていると 振り返った女性が わたしの顔を見て・・・



「キャ~! なになに? どうしてここにいるの?」



「こ こんにちは。」



「死んだんじゃなかったの?」・・・とまでは言いませんでしたが まるで 死んだ人が よみがえったみたいな リアクション。 



「ぼ ぼく生きてますよ。」



「そ そうみたいね。 しかも 元気そうだし・・・」



なんか今日は とっても元気をもらえたなぁ・・・



人って ホントに素晴らしい。



--------------------------------------------------



レッスンが無事終了。



プールには ほとんど人がいなくなり プールサイドから ロッカーに入ろうとすると 女性ロッカーから 顔見知りの女性が・・・



「あ~!」 



「お久しぶりです。」



「よかった・・・」



その方 わたしの顔を見たとたんに 泣き出してしまいました。



「よかった・・・」



「は はい・・・」



何か言いだすにも 言葉にならない感じで ただただ泣くばかり・・・



「つらかったでしょう・・・」



「・・・」



わたしも思わず もらい泣き・・・



「ごめんなさいね・・・ がんばってね・・・」



「はい・・・」



その人は 足早にプールへ・・・



なんか とどめを刺された感じでした。



個室のシャワーに入り 緊張の糸が途切れ 多くの方に声をかけていただき 心配していただいたことに 感激し 涙があふれてきました・・・