庭のマンゴーの木に、巨大なスズメ蜂の巣を発見した今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。バスケットボール大にまで拡張していました。今まで気が付かなかったことに涙目。
さて、今回は蜂について調べていくとついつい面白くなっちゃったので、ラオスの蜂のあれこれをご紹介。
巣を観察すると大きなスズメバチがうじゃうじゃ。ネットで調べてみた結果、どうやらツマグロスズメバチの亜種ではないかと推測。日本では沖縄以南にしか分布しない種類。
クモの巣にかかった小昆虫を マンゴーの木に作られた巣。うちの
捕食するツマグロスズメバチ。 巣はバスケットボール大までに拡張。
働き蜂は5月から羽化し、雄蜂は9~12月、新女王蜂は10~12月に羽化してきます。今は6月だから、うじゃうじゃいたのは羽化仕立ての働き蜂たちかな。
その後、働き蜂が羽化してくると、働き蜂の活動により巣は球状または、楕円形にまで拡張されます。うちのは球状。
ツマグロスズメバチの食性はかなりいろいろで、つまり『なんでも屋』、なんでも美味しく頂くそうです。ハエやアブ、バッタなどが捕獲の対象になります。これらの昆虫を捕まえては巣に持ち帰り、幼虫の餌とします。
このほかにツマグロスズメバチは、マンゴー、パイナップルなどの果樹も喜んで食べに来るそうです。そういえば、うちの庭はフルーツ王国。この蜂が寄ってくるのも当然か。グルメだな。
ラオスの市場では、蜂の子が売られているのをよく目にします。 素揚げ・塩茹で・塩焼き・スープ・蜂蜜漬け・酒漬けなど食べ方は多種多様。生のまま食べる人も多い。高タンパクで、貴重な高級食材。
お写真拝借しました。ラオスの 左に写っているのは、蜂蜜の瓶詰め。
市場でよく見かける光景です。 1本600円程。高級食材です。
蜂の子以上に頻繁に目にするのが蜂蜜。田舎の市場などでも瓶詰にされたものがたくさん並んでいる。1本600円前後で取引されているので、貴重な高収入源。
こちらも画像拝借。塩茹で蜂の お肉の替わりに野菜炒めに入れる
子。フグの白子以上の美味しさ? と、タンパク質も補給可能。
この蜂蜜や蜂の子、どうやって手に入れているかと言うと、何んと自力採取。天然100%の蜂蜜、天然の蜂の子。
蜂を見つけると、網で捕まえて、足に目印の紐を結びつける。逃がした後、見逃さないように必死で追いかける(ラオス人は目がいい)。巣に戻ったところをしっかりチェック。多くの蜂は、夜眠るので、暗くなってから巣に戻り、煙を焚いた棒を挿入。突然の闇討ちに蜂たちが失神しているおよそ30分間で巣をゲット。失敗した場合は全力逃走。
蜂の子の多くはスズメバチなので、命がけの戦い。その苦労を思うと、安く感じてしまいます。
この方法、2011年に『所○んの学校では教えてくれないそこんトコロ!』という番組でラオス・ルアンパバーンのスズメバチに素手で挑む命知らずのハンターという題名で蜂の子ゲットの様子が放送されていました。ラオス人、みんなやってます。たしかに、学校では教えられないなぁ。
最近では、コーヒーの花畑で採れたコーヒー蜂蜜や龍眼(ロンガン)蜂蜜など、色々な風味の蜂蜜も登場。残念ながら、タイからの輸入品。
日本で販売されている こちらは日本で販売されている
『コーヒー蜂蜜』。美味。 『龍眼蜂蜜』。どこの国のだろ?
ラオスのミツバチは北部と南部で大きく異なる。北部には主に木の幹の中に巣を作るミツバチが多く、日本のように木の枝に巣を作る蜂はあまり見られない。これに比べ、南部には木の枝に巣を作る蜂が多く、なんとこの種のミツバチは刺されてもあまり痛くないという。直径30cmの木の筒を利用して、森の中で蜂を飼育する取り組みをドイツのNGOが北部で行っているそうです。
日本のJVC(日本国際ボランティアセンター)も、途上国での養蜂技術移転研修を行っている。2006年にはラオスでも行われている。
養蜂が普及すれば、安定した収入が得られるようになる。特に南部ではコーヒープランテーションが多いので、コーヒー蜂蜜はコーヒー豆とともに名物としても売り出していくことができる。はず。
しかし、高級食材であるため国内の需要が少なく、事業を拡大することができない。費用対効果が上がらない。それが、海外輸出に至らない主な原因。残念。
これからの養蜂業の普及に期待したい。まぁ、天然100%、くまのプーさん採取方式も捨てがたいけどね。
長くなりましたが、ちょっと豆知識をご紹介。
【豆知識・その1】
スズメバチは、あまり食べ物を取らなくても、1日に50~100kmも飛ぶ働き者です。
スズメバチの行動力やエネルギーはどこから来るのでしょうか。食べ物と言えば、樹液やムシの肉団子をなめる程度。とても十分だとは思えません。
こんな疑問を持ったある研究員が、その秘密を突き止めました。親が幼虫に餌をやるとき、幼虫は口から液体を分泌。その分泌物が親のエネルギーの元になっていたとのこと。
普通なら、一方的に親が子供を養うだけだが、スズメバチは成虫と幼虫が相互の関係にある。その分泌物を調べてみたところ、様々なアミノ酸が混じった栄養液であったそうです。脂肪の燃焼効果が高いことから、スポーツ飲料などに応用されて販売されています。
【豆知識・その2】
インドネシア・スラウェシ島の南西部で最近発見された新種のスズメバチは体長が15cm程度までにもなるとか。画像は約6センチの成長過程らしく、成長するとスズメより大きくなってしまうから驚き。
発見した教授はこの蜂に『ガルーダ(炎の神鳥)』と名付けることを検討中だとか。恐ろしい。。。
これが15cmにまでなったら
もう大変。まさにガルーダ。
スズメバチには気を付けたいものですね。