田植えの季節に入った今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。ラオスの田んぼ作りでは水牛が大活躍。昔ながらの方法で鋤を引いて土をおこします。普段、のんびり過ごしている水牛たちもこの時期は大忙し。夕方、仕事を終えた水牛の群れがアスファルト道路を闊歩して帰宅する。必ず道を譲ってくれる優しさに涙目。


 5月4日。学校で葬儀(ソンサガーン)が執り行われました。4月に水難事故で亡くなった2年生の子の葬儀。


 自宅では4月に葬儀を済ませていましたが、学校ではおよそ一か月経っての葬儀。遅くなったことには、四十九日のように何か意味があるのかと思って聞いてみたけど、特に意味は無いとのこと。


 ラオスは仏教なので大半が火葬(パオ・ソップ)。遺灰は「早く生まれ変わってこられるように」と願いを込めてメコン川に散骨するのが主流。中には、お寺の敷地内に建てた仏塔に納骨する場合もある。少数だがモン族やキリスト教徒などは土葬(ファン・ソップ)。

 葬儀は、お坊さんを呼んで、家で執り行うのが一般的。棺はフアン・バーと呼ばれる小さな家型の木枠に安置し、電飾などを付けたり、故人の好きだったものを供えたりして派手に飾る。三日目に出棺。

 ごく近い遺族の男性は、頭を丸めて眉を剃り、仏門に入って喪に服す(ブワットカーオ)こともある。

 葬儀の後は、4日~1週間ほど盛大な炊き出しを行う。突然、公道が封鎖され虹色テントが張られたと思ったら、結婚式かお葬式と思って間違いない。音楽などもかけて賑やかに行うので、区別がつけにくいが、お葬式の場合お酒はご法度なのでよく見ればわかる。

 故人の魂が寂しくならないように、できるだけ賑やかに過ごす。人が多いほど喜ばれ、この炊き出しには誰でも参加することができる。ご飯だけ食べて帰る近所の子どももたくさんいる。遺族は、トランプをしたり映画を観たりして長い時間を過ごす。

 日本の葬式・通夜とは少々雰囲気が異なりますね。


 さて、この日学校へ行くと、2年生の教室にござが敷かれ、中央にはパークワンと呼ばれるバーシー(ラオス儀式)の象徴が置かれていました。

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 バーシーの象徴(パークワン)。    学年問わず、たくさんの子どもたち

 結婚式や歓送迎の儀式にも      が葬儀に来ました。

 にも登場します。          


 お坊さんが来てお経を読み上げます。各々が持ち寄ったもち米やお菓子をお坊さんの托鉢(タクバーツ)用の器に入れます。その後、プークケーンと呼ばれる、手首に糸を巻く儀式。お坊さんに巻いてもらった後は、参列者同士でお互いの健康と幸運を祈って巻き合います。この糸、3日間は外してはいけません。


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 托鉢(タクバーツ)。これらがお坊   プークケーン。新築祝いや結婚式

 さんたちの食糧になります。お菓   歓送迎会など様々な場面で行いま

 子が多い。糖尿病になりそう。。。   す。たくさん巻かれると風呂上りに

 もち米の中に現金が入れられた    なかなか乾かなくて大変。3日間は、

 りしてごちゃ混ぜ。お腹壊しそう。。  外せません。はさみで切っちゃダメ

                        だとか。


  一通り儀式が済むと、お坊さんのお食事タイム。パーカオと呼ばれるちゃぶ台に大量の料理を乗せて差し上げます。この作業、男性のみ。お坊さんの使うものに女性が触れることは厳禁なのです。

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 食べきれない量の食事が振る舞   ラープ(ひき肉の香草和え)、ピン

 われます。精進料理と違ってお肉   ペット(焼きアヒル)、ゲーンカイ 

 もあり。お酒以外はOKなようです。  (鶏スープ)、ソムムー(発酵豚肉

 大抵、ペプシが付いてくる。      など伝統的なラオス料理です。



 食事を終えるとお坊さんたちは帰ります。そして、お坊さんの残り物をみんなで分け合って食べます。これで、葬儀は終了。この後は自由なのですが、まさかこのまま宴会が始まるとは思ってもみませんでした。まぁそれは後日。


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 お坊さんの残り物をありがた   食べ終わった後の片づけは

 く頂戴します。ラオスでは食   高学年の子どもたちがします。

 べきれない量の食事を出す   当然のようにやっているのが

 のが、良いおもてなし。      えらい。下級生はそれをちゃ

                     んと見ています。



 学校では何もしないのかと、ずっと気になっていた葬儀がついに行われて、なんだかちょっとほっとしました。


 もう二度と学校で行う必要がないことを祈るばかりです。